インナーキャミソールは、前身頃と後ろ身頃を縫い合わせ、襟ぐりや袖ぐりを始末して肩ひもを付けることで作れます。
衣服のなかでは比較的シンプルな構造ですが、伸縮性のあるニット生地を使用するため、一般的な布帛の服とは縫い方が異なります。
きれいに仕上げるためには、ニット生地に対応した針や縫い方を選び、生地を引っ張りすぎないことが重要です。
初めて作る場合は、市販のキャミソール用型紙を利用すると失敗を減らせます。
手持ちのキャミソールから型紙を作る方法もありますが、生地の伸縮性が違うと完成サイズも変わるため注意が必要です。
インナーキャミソール作りに必要な材料
身頃用の生地
インナーキャミソールには、肌触りがよく、適度な伸縮性があるニット生地が向いています。
主に使用される生地には、次のようなものがあります。
・綿100%のニット生地
・綿とポリウレタンの混紡生地
・レーヨン混のストレッチ生地
・ポリエステル系の吸汗速乾生地
・シルクまたはシルク混生地
初心者には、薄すぎず、端が強く丸まりにくい綿混ニットが扱いやすいでしょう。
ポリウレタンが含まれた生地は体に沿いやすく、着脱時にも伸びやすいという特徴があります。
一方で、薄手のレーヨンニットやシルク生地は、滑りやすく変形しやすいため、裁断や縫製の難度が高くなります。
必要な生地量
必要な生地量は、型紙のサイズ、着丈、生地幅、柄の方向によって異なります。
成人用のシンプルなキャミソールであれば、1メートル以内で作れる場合もあります。
ただし、必ず使用する型紙の用尺表示を確認してください。
生地の縮みや裁断ミスに備え、必要量より少し余裕を持って購入すると安心です。
肩ひも用の材料
肩ひもは、身頃と同じ生地で作る方法と、市販のストラップテープを使用する方法があります。
長さを調節できる仕様にする場合は、ストラップテープに加えて、アジャスターとリングを用意します。
インナーは直接肌に触れるため、硬いテープよりも、柔らかく肌当たりのよい材料が適しています。
共布で肩ひもを作る場合は、生地が厚すぎると折り重なった部分が硬くなるため注意しましょう。
襟ぐりや袖ぐりを始末する材料
襟ぐりや袖ぐりの始末には、次のような材料を使用できます。
・共布で作ったニットテープ
・伸縮性のある市販の縁取りテープ
・折り返しゴム
・下着用の縁飾りゴム
・ストレッチレース
身頃と同じ雰囲気に仕上げたい場合は、共布のニットテープが向いています。
下着らしいデザインにしたい場合は、縁飾りゴムやストレッチレースを使うとよいでしょう。
伸縮しない布帛用のバイアステープは、ニット生地の伸びを妨げる可能性があります。
襟ぐりが引きつれたり、着脱しにくくなったりするため、基本的には伸縮性のある材料を選びます。
ミシン糸
糸は、生地やミシンに対応したニット用ミシン糸を選ぶと安心です。
一般的なポリエステルミシン糸でも縫える場合はありますが、縫い目が生地の伸びについていくか確認する必要があります。
本体を縫う前に余り布で試し縫いを行い、生地を伸ばしても糸が切れないか確認しましょう。
使用できる糸の種類はミシンによって異なるため、取扱説明書も確認してください。
インナーキャミソール作りに必要な道具
基本的な洋裁道具
主に使用する道具は次のとおりです。
・家庭用ミシンまたはロックミシン
・ニット用ミシン針
・裁ちばさみまたはロータリーカッター
・まち針または仮止めクリップ
・メジャー
・定規
・チャコペン
・型紙用紙
・アイロン
・アイロン台
ニット生地には、ボールポイント針やニット用針を使用します。
通常のミシン針を使うと、生地の繊維を傷めたり、目飛びが起きたりすることがあります。
生地の厚さに合った針を選ぶことも大切です。
ロックミシンがなくても作れる
インナーキャミソールは、ロックミシンがなくても家庭用ミシンで作れます。
家庭用ミシンを使う場合は、伸縮縫い、幅の狭いジグザグ縫い、3点ジグザグ縫いなど、生地の伸びに対応した縫い模様を選びます。
伸びる部分を普通の直線縫いだけで縫うと、着脱時に糸が切れることがあります。
縫製前には必ず試し縫いを行い、次の点を確認してください。
・縫い目が波打っていないか
・目飛びしていないか
・生地を伸ばしても糸が切れないか
・縫い目が硬くなりすぎていないか
ロックミシンは、ニット生地の縫い合わせと布端処理を同時に行うのに適しています。
ただし、一般的なロックミシンだけでは、市販品の裾に見られるカバーステッチと同じ仕上がりにならない場合があります。
インナーキャミソールの型紙を用意する方法
市販の型紙を使用する
初心者には、市販のキャミソール用型紙を使用する方法がおすすめです。
型紙には、縫い代が含まれているものと含まれていないものがあります。
裁断前に説明書を確認し、縫い代が含まれていない場合は自分で追加します。
脇の縫い代は1センチ前後、裾は2〜3センチ程度が目安になることがあります。
ただし、ロックミシン用の型紙では、脇の縫い代が6〜7ミリ程度に設定されている場合もあります。
襟ぐりや袖ぐりをテープで包む仕様では、縁に縫い代を付けない型紙もあります。
一般的な目安よりも、使用する型紙の指定を優先してください。
手持ちのキャミソールから型紙を作る
体に合っているキャミソールがあれば、それを参考に型紙を作ることもできます。
キャミソールを平らな場所に置き、しわやねじれを整えます。
前身頃と後ろ身頃では襟ぐりの深さや形が異なるため、それぞれ別に写します。
肩ひもを除いた身頃の輪郭を型紙用紙に写し、縫製方法に合わせて縫い代を加えます。
ただし、元のキャミソールと新しく使う生地では、伸び方が異なる可能性があります。
元の生地より伸びにくい生地を使用すると、同じ寸法でも完成品がきつくなることがあります。
反対に、よく伸びて戻りにくい生地を使うと、完成品がゆるくなったり、着用中に形が崩れたりする場合があります。
採寸から型紙を作る
自分で型紙を引く場合は、少なくとも次の寸法を測ります。
・バスト寸法
・アンダーバスト付近の寸法
・希望する着丈
・前襟ぐりの深さ
・後ろ襟ぐりの深さ
・肩ひもの長さ
体に沿わせるインナーでは、完成寸法を実際の体の寸法より小さく設計する場合があります。
これは、マイナスのゆとりと呼ばれる考え方です。
ただし、必要なゆとり量は生地の伸縮率や回復性によって異なります。
採寸だけで型紙を作ると、襟ぐりが浮いたり、袖ぐりが食い込んだりすることがあります。
初めて作る場合は、市販型紙か、サイズの合う手持ちのキャミソールを参考にするとよいでしょう。
生地の伸縮性を確認する方法
横方向の伸び率を測る
ニット生地の伸び方は、完成サイズや着心地に大きく影響します。
まず、生地の横方向に10センチの範囲を取ります。
その部分を無理のない範囲で伸ばし、何センチまで伸びるか測ります。
10センチの生地が12センチまで伸びた場合、伸び率は20%です。
計算式は次のとおりです。
伸び率=伸びた後に増えた長さ÷元の長さ×100
限界まで強く引っ張るのではなく、衣服として無理なく伸ばせる範囲を確認してください。
生地の回復性も確認する
インナー用の生地では、伸び率だけでなく、伸ばした後に元の長さへ戻るかも重要です。
一度伸ばした後に手を離し、元の10センチ付近まで戻るか確認します。
大きく伸びても元に戻りにくい生地は、襟ぐりが広がったり、身頃がだれたりすることがあります。
体に沿うキャミソールには、伸びた後に形が戻りやすい生地が適しています。
縦方向の伸びも確認する
キャミソールでは、横方向の伸びが特に重要です。
ただし、縦方向に大きく伸びる生地は、着用中に重みで伸び、裾が下がることがあります。
縦にも伸びやすい生地を使う場合は、着丈を長くしすぎないよう注意しましょう。
インナーキャミソールの基本的な作り方
1.生地を裁断前に処理する
綿や一部のレーヨンなどは、洗濯によって縮むことがあります。
完成後の縮みを抑えるため、裁断前に、完成後と同じ方法で洗濯または水通しをしておくと安心です。
ただし、すべての生地を同じ方法で水通しできるわけではありません。
シルク、特殊加工生地、水洗いできない生地などは、自己判断で水に浸さないようにしましょう。
生地の洗濯表示や販売店の説明を確認してください。
乾燥後は、生地を平らに置き、編み目や布端が不自然にねじれていないか確認します。
強く引っ張って形を整えると、生地が変形する可能性があるため注意が必要です。
2.型紙を生地に配置する
生地を平らに広げ、型紙に記載された地の目線を生地の縦方向に合わせます。
一般的には、より伸びる横方向が体の周囲を回るように配置します。
ただし、型紙や生地に指定がある場合は、その指示を優先してください。
前身頃や後ろ身頃を「わ」で裁断する型紙では、生地を二つ折りにし、型紙の中心線を折り目に合わせます。
ニット生地は動きやすいため、まち針を多く刺すよりも、ウエイトや仮止めクリップを使ったほうが裁断しやすい場合があります。
3.前身頃と後ろ身頃を裁断する
型紙に沿って、前身頃と後ろ身頃を裁断します。
合印がある場合は、チャコペンで印を付けるか、縫い代の範囲内に数ミリ程度の切り込みを入れます。
切り込みが深すぎると縫い線を越える可能性があるため注意してください。
裁断後は、必要なパーツがそろっているか、左右対称になっているか、縫い代が正しく付いているかを確認します。
4.試し縫いをする
本体を縫う前に、裁断で余った生地を2枚重ねて試し縫いをします。
使用予定の針、糸、縫い模様、縫い目の長さ、糸調子を確認してください。
試し縫いした部分を軽く伸ばし、糸切れや目飛びが起きないか確認します。
薄手のニット生地が波打つ場合は、押さえ圧を調整できる機種であれば少し弱くすると改善することがあります。
5.脇を縫い合わせる
前身頃と後ろ身頃を中表に重ねます。
中表とは、生地の表側同士を内側にして重ねる状態です。
左右の脇を合わせ、クリップやまち針で固定します。
家庭用ミシンの伸縮縫い、幅の狭いジグザグ縫い、またはロックミシンで縫い合わせます。
縫っている間は、生地を前後から強く引っ張らないようにしてください。
ミシンの送りに任せ、手で軽く支えながら縫い進めます。
ただし、実際の縫製順序は肩ひもの作り方や縁取り方法によって変わります。
袖ぐりの縁取りをそのまま肩ひもへつなげるデザインでは、片側の脇だけを先に縫う場合もあります。
市販型紙を使用する場合は、付属する作り方の順番を優先してください。
6.襟ぐりを始末する
襟ぐりは、共布のニットテープ、縁取りゴム、ストレッチレースなどで始末します。
共布テープを使う場合は、襟ぐりの実寸より少し短く設定することが一般的です。
ただし、適切な長さはテープの伸びや回復性によって異なります。
短すぎると襟ぐりが縮んでギャザー状になり、長すぎると外側へ浮きやすくなります。
型紙に指定寸法がある場合は、その寸法を優先してください。
指定がない場合は、余り布で同じようなカーブを作り、試し縫いをして調整すると安心です。
縫う際は、身頃ではなく、テープ側だけを必要な範囲で軽く伸ばします。
7.袖ぐりを始末する
袖ぐりも、基本的には襟ぐりと同じ方法で始末します。
ただし、袖ぐりは腕の動きに関係するため、縁取りテープやゴムを強く引っ張りすぎないようにします。
強く縮めると、脇に食い込んだり、腕を動かしにくくなったりすることがあります。
肩ひもを共布の縁取りテープから連続して作る場合は、袖ぐりから肩ひもまで一続きに縫います。
左右の肩ひもの長さが同じになるよう、あらかじめ印を付けておきましょう。
8.肩ひもを取り付ける
市販のストラップテープを使う場合は、前身頃と後ろ身頃の取り付け位置を確認します。
最初から完全に縫い付けず、仮止めした状態で試着するとよいでしょう。
肩ひもが短すぎると、襟ぐりや脇が上へ引っ張られ、窮屈になります。
長すぎると、胸元が下がったり、肩から落ちたりします。
適切な長さを確認した後、付け根を往復縫いなどで補強します。
アジャスター付きにする場合は、リングとアジャスターへ正しい順番でテープを通してください。
使用するパーツに説明書が付いている場合は、その手順に従います。
9.裾を始末する
裾の縫い代を内側へ折り、素材に合った温度でアイロンをかけます。
高温に弱い生地やポリウレタンを含む生地では、当て布を使用し、低温から試してください。
家庭用ミシンでは、伸縮縫い、ニット用双針、ジグザグ縫いなどで裾を縫えます。
一般的なジグザグ縫いを使う場合は、縫い目が表側に見えやすく、薄い生地では裾が波打つことがあります。
市販品に近い2本線の仕上がりにしたい場合は、ニット用双針やカバーステッチミシンを使用します。
双針を使う場合は、ミシン本体、針板、押さえが対応しているか確認してください。
使用できる双針の幅や縫い模様は機種によって異なるため、取扱説明書を必ず確認します。
10.試着して仕上がりを確認する
縫い終わったら試着し、次の点を確認します。
・肩ひもの長さが左右でそろっているか
・襟ぐりが浮いていないか
・袖ぐりが食い込んでいないか
・脇の縫い目がねじれていないか
・腕を上げても裾が上がりすぎないか
・着脱時に縫い糸が切れないか
・縫い代や糸端が肌に当たらないか
問題がなければ、余分な糸を切り、素材に合った温度で軽くアイロンをかけて完成です。
共布で肩ひもを作る方法
肩ひも用の生地を裁断する
身頃と同じ生地を、細長いテープ状に裁断します。
四つ折りで作る場合は、完成させたい幅の約4倍が裁断幅の目安です。
完成幅を7ミリ程度にしたい場合は、約28ミリ幅で裁断する計算になります。
ただし、生地の厚さや伸び方、折り方によって必要な幅は変わります。
本番用の長さを裁断する前に、短い試作品を作って完成幅を確認すると安心です。
四つ折りにして縫う
裁断した生地の両端を中央へ向かって折り、さらに半分に折ります。
アイロンを使用できる素材であれば、低温で折り目を付けます。
端に近い位置を、伸縮縫いや細いジグザグ縫いで縫います。
細いニットテープは、縫い始めに針板の穴へ巻き込まれることがあります。
その場合は、薄紙や水溶性の安定紙を下に敷くと、巻き込みを抑えやすくなります。
縫い終わった後は、生地や縫い目を傷めないように紙を取り除いてください。
筒状に縫って表へ返す
生地を中表に二つ折りし、端を縫って細い筒状にしてから表へ返す方法もあります。
ただし、細すぎる肩ひもは表へ返すのが難しくなります。
ループ返しなどの専用道具を使うと作業しやすくなります。
厚手の生地では縫い代が重なって硬くなるため、細い肩ひもには薄手の生地が適しています。
カップ付きインナーキャミソールを作る方法
カップ付き仕様は専用型紙を使う
カップ付きキャミソールは、通常のキャミソールよりも設計と縫製が複雑です。
カップを付けるだけでは、位置がずれたり、アンダーバストを十分に支えられなかったりすることがあります。
初めて作る場合は、カップ付きキャミソール専用の型紙を使用しましょう。
型紙で指定されているカップ、ゴム、内布を使用すると、完成時のずれを抑えやすくなります。
カップを入れる内布を付ける
前身頃の内側に、カップを収めるための内布を取り付けます。
内布には、肌触りと通気性に配慮したニット生地やメッシュ生地が使われます。
カップを直接縫い付ける方法と、出し入れできるポケット式にする方法があります。
内布の下側には、アンダーバストを支えるゴムを取り付けることがあります。
ゴムがきつすぎると苦しくなり、ゆるすぎるとカップの位置が安定しません。
取り外し式カップ用のポケットを作る
取り外し式にする場合は、前身頃の内側へポケット状の内布を付けます。
カップの出し入れ口は、脇側や上側に作る方法があります。
開口部が大きすぎると洗濯中にカップが飛び出しやすくなります。
反対に小さすぎると、カップの出し入れが難しくなります。
型紙の指定に合わせて開口部を作りましょう。
支持力はブラジャーと同じとは限らない
手作りのカップ付きキャミソールが、一般的なブラジャーと同等の支持力や補整力を持つとは限りません。
着心地には、カップの形、左右の間隔、アンダーバストゴム、肩ひもの位置、内布の高さなどが関係します。
強い支持力が必要な場合は、専用設計された型紙を使い、試着しながら細かく調整する必要があります。
インナーキャミソール作りでよくある失敗
襟ぐりが浮く
襟ぐりが外側へ浮く主な原因は、縁取りテープが長すぎることや、縫製中に身頃を伸ばしてしまうことです。
テープを均等に配置し、身頃は引っ張らずに縫いましょう。
テープを短くしすぎても、襟ぐりが縮んで波打つ原因になります。
適切な長さは生地によって異なるため、試し縫いで調整します。
縫い目が波打つ
縫い目が波打つ場合は、生地を引っ張っている、押さえ圧が強い、糸調子が合っていない、縫い目が細かすぎるなどの原因が考えられます。
押さえ圧を調整できるミシンでは、少し弱くすると改善することがあります。
生地を強く押したり引いたりせず、ミシンの送りに任せて縫ってください。
着脱時に糸が切れる
伸びる部分を通常の直線縫いだけで縫うと、着脱時に糸が切れることがあります。
伸縮縫い、幅の狭いジグザグ縫い、ロックミシンなどを使用します。
本番前の試し縫いでは、縫った部分を実際の着脱時に近い程度まで伸ばし、糸切れが起きないか確認しましょう。
完成品がきつい
完成品がきつくなる原因としては、生地の伸縮性が型紙の指定より低いことや、縫い代を大きく取りすぎたことが挙げられます。
同じ型紙でも、生地が変わると着用感は大きく変わります。
初めて使う生地では、似た伸縮性の安価な生地で試作品を作ると安心です。
特にバスト、袖ぐり、アンダーバスト付近を確認してください。
肩ひもが落ちる
肩ひもが落ちる場合は、ひもが長すぎるか、後ろ側の取り付け位置が外側すぎる可能性があります。
後ろ側の取り付け位置を少し中央へ寄せると、安定する場合があります。
ただし、中央へ寄せすぎると首元へ近づき、違和感が出ることがあります。
必ず仮止めして試着してから位置を決めましょう。
袖ぐりが食い込む
袖ぐりのテープやゴムを強く引っ張りすぎると、脇に食い込みやすくなります。
襟ぐりと同じ強さで縮めるのではなく、腕を動かせる程度のゆとりを残すことが大切です。
試着時には、腕を上げたり前後へ動かしたりして確認します。
裾が上がってくる
裾が上がる場合は、身頃が細すぎる、着丈が短すぎる、生地の回復力が強すぎるなどの原因が考えられます。
腰回りに密着しすぎると、体の動きによって裾が上へ押し上げられます。
着丈だけでなく、ウエストや腰回りのゆとりも確認してください。
手縫いでインナーキャミソールを作れるか
手縫いでも作れるが難度は高い
インナーキャミソールは、手縫いでも作ること自体は可能です。
ただし、伸縮性の高いニット生地では、手縫いの縫い目が生地の伸びについていかない場合があります。
特に体に密着するデザインでは、着脱時に縫い目へ大きな力がかかります。
一般的には、家庭用ミシンの伸縮縫いやジグザグ縫いを使うほうが適しています。
手縫いではゆとりのある型紙を選ぶ
手縫いで作る場合は、体に強く密着する型紙を避け、少しゆとりのあるデザインを選ぶとよいでしょう。
余り布を使い、縫い目がどの程度伸びるか、引っ張ったときに糸が切れないかを確認します。
糸を単純に緩くするだけでは、縫い目の強度が不安定になります。
耐久性や仕上がりを重視する場合は、ミシン縫いがおすすめです。
初心者がきれいに仕上げるためのコツ
シンプルな型紙から始める
最初の一着には、前身頃と後ろ身頃を基本としたシンプルな型紙が向いています。
切り替え、ギャザー、レース、カップ、アジャスターなどが多いデザインは、工程が複雑になります。
まずは独立した肩ひもを付ける基本的なキャミソールから始めるとよいでしょう。
生地と型紙の対応条件を確認する
型紙には、推奨される生地の種類や伸び率が記載されていることがあります。
よく伸びる生地向けの型紙を、伸びにくい生地で作ると、完成品がきつくなる可能性があります。
反対に、伸びにくい生地向けの型紙を非常によく伸びる生地で作ると、ゆるく仕上がることがあります。
生地を購入する前に、型紙の指定を確認してください。
必ず余り布で試し縫いをする
ニット生地は、素材や編み方によって扱いやすさが異なります。
本体を縫う前に、実際と同じ枚数の生地を重ねて試し縫いを行います。
針、糸、縫い模様、糸調子、縫い目の長さを確認してください。
縁取りテープを使う場合は、テープの引っ張り具合も試しておくと安心です。
工程の途中で試着する
肩ひもを完全に固定する前や、裾を縫う前に試着すると、サイズ違いを修正しやすくなります。
試着時には、立っている状態だけでなく、腕を上げる、体をひねる、前かがみになるなどの動作も確認します。
肩ひもの長さ、襟ぐりの深さ、袖ぐりの食い込み、裾の上がりやすさを確認してください。
肌に当たる部分を丁寧に仕上げる
インナーは直接肌に触れるため、縫い代や糸端の処理が着心地に影響します。
縫い代が厚く重ならないようにし、硬い部分が脇や胸元へ当たらないか確認します。
肌が敏感な場合は、硬いレースや装飾ゴムを避け、柔らかい綿混素材や下着用ゴムを使用するとよいでしょう。
インナーキャミソールをアレンジする方法
裾にレースを付ける
裾にストレッチレースを付けると、下着らしい華やかなデザインになります。
伸縮しないレースを使用すると、着脱に必要な伸びを妨げることがあります。
身頃に伸縮性がある場合は、レースも伸縮するものを選びましょう。
胸元を二重にする
前身頃の胸元を二重にすると、透けにくくなり、生地が安定しやすくなります。
ただし、生地が重なることで通気性が下がり、暑さを感じやすくなる場合があります。
夏用に作る場合は、薄手で通気性のよい生地を選びましょう。
着丈を調整する
短めの着丈にすると、トップスの裾からインナーが見えにくくなります。
長めにすると、腰回りを覆いやすく、ボトムスの中へ入れやすくなります。
ただし、長すぎると腰回りでもたついたり、動いたときに上がってきたりする場合があります。
使いやすい手持ちのインナーを測り、用途に合った着丈を決めるとよいでしょう。
レーサーバック風にする
後ろ側の肩ひもを中央寄りに配置すると、レーサーバック風のデザインにできます。
肩ひもが落ちにくくなり、腕を動かしやすいという利点があります。
ただし、合わせるトップスの襟ぐりや背中の開きによっては、肩ひもが見えやすくなります。
着用する服との組み合わせも考えて形を決めましょう。
まとめ
インナーキャミソールは、前身頃と後ろ身頃を縫い合わせ、襟ぐり、袖ぐり、裾を始末し、肩ひもを付けることで作れます。
初心者には、適度な伸縮性と回復性がある綿混ニットと、市販のキャミソール用型紙がおすすめです。
ニット生地を縫う際は、ニット用針と生地に対応した糸を使い、伸縮縫いやジグザグ縫いを選びます。
また、生地を引っ張らずに縫うことや、本番前に試し縫いをすることも重要です。
縫製の順番は、肩ひもの付け方や襟ぐりの始末方法によって変わります。
市販型紙を使う場合は、型紙に付属する手順を優先してください。
カップ付き仕様は通常のキャミソールより設計が難しいため、専用型紙と指定材料を使用するのが安心です。
生地の伸縮性、回復性、型紙との相性を確認し、途中で試着しながら調整することで、肌触りがよく着用しやすいインナーキャミソールに仕上げられます。
以上、インナーキャミソールの作り方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

