セーターを家庭で洗う場合は、基本的に「おしゃれ着用」と表示された中性洗剤が適しています。
一般的な洗濯洗剤よりも洗浄作用が穏やかで、縮み、型崩れ、毛羽立ち、色あせなどを抑えながら洗えるためです。
ただし、「中性」と表示されていれば、どの洗剤でもセーターに使えるわけではありません。
洗剤の液性だけでなく、パッケージの用途欄に「毛」「絹」「ウール」「おしゃれ着」などが含まれているか確認する必要があります。
また、適切な洗剤を選んでも、家庭洗濯が禁止されているセーターは自宅で洗えません。
洗剤を選ぶ前に、必ずセーターに付いている洗濯表示を確認しましょう。
セーターに適した洗剤の種類
おしゃれ着用中性洗剤
ウールやカシミヤなどのデリケートな素材には、おしゃれ着用中性洗剤が適しています。
おしゃれ着用洗剤は、一般衣料用洗剤に比べて繊維への負担を抑えるように作られています。
製品によって機能は異なりますが、洗濯による縮み、型崩れ、色あせ、毛羽立ち、毛玉などを防ぎやすいのが特徴です。
手洗いだけでなく、洗濯機のおしゃれ着コースやドライコースなどに対応している製品もあります。
ただし、コースの名称は洗濯機メーカーによって異なります。
セーターの洗濯表示と洗濯機の取扱説明書を確認したうえで、適切なコースを選びましょう。
ウール専用洗剤
ウール100%やメリノウール、高価なカシミヤのセーターには、ウール専用洗剤も適しています。
ウールの風合いを保ちながら洗うことを目的に作られているため、大切なセーターをできるだけ傷めたくない場合に向いています。
ウール専用洗剤には、洗濯機で使用するもの、手洗い用、すすぎを必要としないものなど、さまざまな種類があります。
一般的な洗剤と使い方が異なる場合があるため、使用量やすすぎ方法を必ず確認してください。
一般衣料用の中性洗剤
一般衣料用洗剤のなかにも、液性が中性の製品があります。
アクリルやポリエステルなど、比較的家庭洗濯しやすい化学繊維のセーターであれば使用できる場合があります。
ただし、一般衣料用の中性洗剤と、おしゃれ着用中性洗剤は同じものではありません。
一般衣料用洗剤は汚れを落とすことを重視しており、毛玉や型崩れを防ぐ機能が十分でない場合があります。
化学繊維のセーターでも、編み地やシルエットを守りたい場合は、おしゃれ着用中性洗剤を選ぶほうが無難です。
参考サイト
「おしゃれ着用洗剤」と普通の「洗濯洗剤」をうまく使い分けましょう! | クリーニングのエブリ
素材別に適した洗剤を選ぶ方法
ウール・メリノウール
ウールやメリノウールには、毛・ウールへの使用が明記されたおしゃれ着用中性洗剤、またはウール専用洗剤を使用します。
ウールは、ケラチンというタンパク質を主成分とする繊維です。
水に濡れた状態で強い摩擦やもみ作用が加わると、繊維表面が絡み合い、縮みやフェルト化が起こりやすくなります。
そのため、洗剤だけでなく、水温、洗い方、洗濯時間、脱水方法にも注意が必要です。
一般的な弱アルカリ性洗剤や洗濯石けんは避け、洗濯表示に従って短時間で優しく洗いましょう。
カシミヤ
カシミヤには、毛やカシミヤへの使用が明記されたおしゃれ着用中性洗剤が適しています。
カシミヤは繊維が細く、摩擦によって毛羽立ちや毛玉が発生しやすい素材です。
洗浄力の強さよりも、繊維への負担を抑えられるかどうかを優先して洗剤を選びましょう。
家庭洗濯が可能な表示でも、洗濯機ではなく短時間の押し洗いが適している場合があります。
洗濯桶に×が付いている場合は家庭で洗わず、クリーニング店に相談してください。
アンゴラ・モヘヤ・アルパカ
アンゴラ、モヘヤ、アルパカなどの獣毛素材にも、毛に対応したおしゃれ着用中性洗剤が適しています。
これらは毛足が長く、洗濯によって毛並みが乱れたり、繊維同士が絡んだりしやすい素材です。
洗濯機で洗える表示がある場合でも、洗濯ネットに入れ、非常に弱い水流のコースを使用します。
起毛加工や装飾が施されたセーターは、家庭洗濯を避けたほうがよい場合もあります。
素材だけで判断せず、必ず製品ごとの洗濯表示を確認しましょう。
綿・コットン
綿のセーターは、ウールよりもアルカリに強い素材です。
洗濯表示と洗剤の用途が合っていれば、一般衣料用洗剤を使える場合があります。
ただし、綿のニットは水を含むと重くなり、洗濯や脱水の際に伸びたり型崩れしたりすることがあります。
色あせや編み地の傷みを抑えたい場合は、おしゃれ着用中性洗剤がおすすめです。
白い綿セーターで汚れ落ちを優先する場合は、洗濯表示を確認したうえで一般衣料用洗剤を使用できます。
アクリル
アクリルセーターは家庭で洗える製品が多く、一般衣料用の中性洗剤を使用できる場合があります。
一方で、アクリルは洗濯中の摩擦によって毛玉や毛羽立ちが発生しやすい素材です。
表面の風合いを守りたい場合は、おしゃれ着用中性洗剤を使用し、洗濯ネットに入れて弱い水流で洗いましょう。
静電気が発生しやすい素材でもあるため、洗濯表示で使用が認められていれば、適量の柔軟剤を併用する方法もあります。
ポリエステル・ナイロン
ポリエステルやナイロンのセーターも、家庭で洗える表示があれば一般衣料用洗剤を使える場合があります。
ただし、装飾があるものや、複雑な編み方をしたものには、おしゃれ着用中性洗剤が適しています。
ポリエステルは皮脂汚れを吸着しやすいため、洗剤を極端に減らすと臭いや汚れが残る可能性があります。
洗剤は自己判断で増減せず、製品に記載された使用量を守りましょう。
混紡素材
複数の素材が使われているセーターは、基本的に最もデリケートな素材に合わせて洗剤を選びます。
例えば、ウール50%・アクリル50%のセーターであれば、ウールに対応したおしゃれ着用中性洗剤を選びます。
本体の素材だけでなく、刺しゅう、ビーズ、スパンコール、革、合成皮革などの装飾部分も確認しましょう。
装飾部分が水洗いに対応していない場合は、セーター本体の素材に問題がなくても家庭では洗えません。
セーター用洗剤を選ぶときのポイント
液性が中性か確認する
洗剤のパッケージに記載されている「液性」を確認し、中性のものを選びましょう。
一般的な粉末洗剤や洗濯石けんには、弱アルカリ性の製品が多くあります。
弱アルカリ性洗剤は皮脂などの汚れを落とす力に優れていますが、ウールやカシミヤなどのデリケートな素材には不向きです。
ただし、中性洗剤であっても、毛や絹への使用が認められているとは限りません。
液性だけで判断せず、用途欄も確認することが大切です。
用途欄に「毛」や「絹」が含まれているか確認する
ウールセーターを洗う場合は、洗剤の用途欄に次のような表示があるか確認しましょう。
- 毛・絹用
- ウール・シルク対応
- おしゃれ着用
- デリケート衣類用
中性洗剤でも、用途が「綿・麻・合成繊維用」とだけ記載されている製品は、ウールに使用できない可能性があります。
表面の商品名や広告だけでなく、ボトル裏面などに記載された用途と使用上の注意まで確認してください。
酵素入り洗剤を避ける
ウール、カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなどには、原則として酵素入りの一般洗剤を使用しないようにしましょう。
洗剤に含まれる酵素のうち、タンパク質を分解するプロテアーゼは、タンパク質でできているウール繊維に影響を与える可能性があります。
家庭では酵素の種類や配合量を判断するのが難しいため、酵素入りの一般洗剤ではなく、毛・絹への使用が明記された洗剤を選ぶのが安全です。
洗剤メーカーが毛やウールへの使用を明確に認めている場合は、その製品の使用方法に従いましょう。
漂白剤が入っていないものを選ぶ
ウールやカシミヤには、塩素系・酸素系を問わず、漂白剤を使用しないのが基本です。
漂白剤によって繊維が傷んだり、色合いや風合いが変化したりする可能性があります。
綿、アクリル、ポリエステルなどのセーターについては、洗濯表示と漂白剤の用途の両方で使用が認められている場合に限って使用します。
混紡素材や装飾のあるセーターは、漂白剤の使用を避けたほうが安全です。
蛍光増白剤の有無を確認する
生成り、ベージュ、淡色、くすみカラーのセーターには、蛍光増白剤が入っていない洗剤が適しています。
蛍光増白剤は、白い衣類を明るく見せるための成分です。
生成りや淡い色の衣類に使用すると、本来の色合いと異なって見える場合があります。
おしゃれ着用洗剤には蛍光増白剤を使用していない製品が多いものの、購入前に表示を確認しましょう。
液体タイプは初心者にも使いやすい
液体タイプのおしゃれ着用洗剤は水に溶けやすく、手洗い用の洗剤液を作りやすいことが特徴です。
特に水温の低い時期は溶け残りにくいため、初めてセーターを手洗いする人にも使いやすいでしょう。
一方、粉末タイプでも、毛・ウールに対応した中性洗剤であれば使用できます。
粉末洗剤を使う場合は、セーターを入れる前に水へ十分に溶かしてください。
溶け残った洗剤の粒がセーターに直接付着すると、変色や繊維の傷み、すすぎ残しにつながる可能性があります。
セーターに適さない洗剤
弱アルカリ性の一般洗剤
弱アルカリ性洗剤は、綿や麻、化学繊維の普段着をしっかり洗う用途に適しています。
しかし、ウールやカシミヤなどの動物性繊維に使用すると、風合いの変化やゴワつきにつながる可能性があります。
ウールが縮む原因は洗剤の液性だけではありませんが、摩擦や温度変化などと重なるとダメージが大きくなることがあります。
大切なセーターには、毛に対応したおしゃれ着用中性洗剤を使用しましょう。
洗濯用石けん
洗濯用石けんは自然由来という印象がありますが、多くの製品はアルカリ性です。
ウールなどの動物性繊維に必ずしも適しているわけではありません。
また、石けんカスが編み目に残ると、ゴワつきや白っぽい付着物の原因になることがあります。
毛素材への使用が明記された専用製品以外は、ウールセーターへの使用を避けましょう。
台所用中性洗剤
台所用洗剤にも中性の製品がありますが、衣類の洗濯を目的に作られたものではありません。
衣類用洗剤とは泡立ち、すすぎやすさ、香料、洗浄成分の配合などが異なります。
中性だから使えると判断せず、セーターには衣料用のおしゃれ着洗剤を使用しましょう。
シャンプーやボディーソープ
ウールと人の髪は、どちらもタンパク質を主成分としているため、シャンプーで洗えるという情報も見られます。
しかし、シャンプーやボディーソープは衣類用に設計された製品ではありません。
コンディショニング成分や香料などが編み目に残る可能性もあります。
緊急時の代用品として安易に使用せず、毛・絹に対応した衣類用洗剤を用意しましょう。
柔軟剤はセーターに必要なのか
柔軟剤は必須ではない
セーターを洗う際に、柔軟剤は必須ではありません。
おしゃれ着用洗剤だけでも、繊維を保護し、ふんわりとなめらかに仕上げられる製品があります。
柔軟剤を使用する場合は、セーターの洗濯表示と柔軟剤の用途を確認してください。
洗剤と柔軟剤の組み合わせについても、それぞれのメーカーの説明に従いましょう。
柔軟剤を入れすぎない
柔軟剤を規定量以上に使用すると、繊維表面に成分が過剰に付着することがあります。
ウールの場合は、繊維が表面に移動しやすくなり、その後の着用や洗濯で毛玉ができやすくなる可能性もあります。
香りや柔らかさを強くしようとして量を増やさず、必ず規定量を守りましょう。
セーターを洗う前に洗濯表示を確認する
洗濯桶のマークを確認する
洗濯桶のマークは、家庭での洗濯方法を表しています。
桶の中に書かれた数字は、使用できる液温の上限です。
桶の下に付いている横線は、洗濯処理の弱さを示します。
横線が1本なら弱い処理、2本なら非常に弱い処理が必要です。
横線が多いほど、通常の洗濯よりも弱い水流で洗わなければなりません。
手洗い表示の温度を確認する
手が描かれた洗濯桶のマークは、手洗いによる家庭洗濯ができることを示します。
現在は、液温40℃を限度とする手洗い表示と、液温30℃を限度とする手洗い表示があります。
2024年8月20日の改正によって、30℃を限度とする手洗い表示が追加されました。
使用する水の温度は、セーターに表示された上限を超えないようにしてください。
ウールやカシミヤは温度変化にも注意が必要なため、洗うときとすすぐときの水温をできるだけそろえましょう。
洗濯桶に×があれば家庭では洗わない
洗濯桶に×が付いている場合は、家庭での洗濯が禁止されています。
おしゃれ着用中性洗剤やウール専用洗剤を使っても、自宅で水洗いすることはできません。
無理に洗うと、縮み、色落ち、型崩れ、装飾の破損などが起こる可能性があります。
洗濯表示に対応できるクリーニング店へ依頼しましょう。
ドライクリーニングのマークだけで判断しない
丸いマークは、クリーニング店で行うドライクリーニングやウエットクリーニングに関する表示です。
丸いマークが付いているからといって、必ず家庭で洗えないわけではありません。
家庭洗濯の可否は、丸ではなく洗濯桶のマークで判断します。
洗濯桶のマークで家庭洗濯が認められていれば、丸いマークがあっても自宅で洗える場合があります。
洗剤を正しく使ってセーターを洗う方法
洗剤を水に溶かしてからセーターを入れる
手洗いする場合は、洗面器などに水を入れ、規定量の洗剤を十分に溶かしてからセーターを入れます。
セーターに洗剤の原液を直接かけると、色ムラやすすぎ残しの原因になる可能性があります。
部分汚れを前処理する場合を除き、洗剤液を作ってから洗い始めましょう。
洗剤の適量を守る
汚れがひどい場合でも、洗剤を規定量以上に入れてはいけません。
洗剤を増やしたからといって、汚れ落ちが比例してよくなるわけではありません。
洗剤が繊維に残りやすくなり、すすぎ時間が長くなることで、セーターへの負担が増える可能性があります。
ボトルに記載された水量別の使用量を確認し、計量キャップなどで正確に量りましょう。
長時間つけ置きしない
ウールやカシミヤのセーターは、洗剤液に長時間つけ置きしないようにしましょう。
長く濡れた状態が続くと、色落ちや繊維の絡み、風合いの変化が起こる可能性があります。
洗剤メーカーが指定していない長時間のつけ置きは避け、短時間で手早く洗うことが大切です。
こすらずに押し洗いする
適切な洗剤を使っても、もみ洗いやこすり洗いをすると縮みや毛玉が発生します。
セーターを洗剤液に沈め、両手で優しく押してから浮かせる動作を繰り返しましょう。
襟や袖口の汚れも強くこすらず、洗剤液をなじませながら軽く押して洗います。
セーターをねじったり、引っ張ったりしないことも重要です。
汚れがひどいセーターを洗うときの注意点
洗剤の原液を使えるか確認する
襟、袖口、食べこぼしなどの部分汚れには、おしゃれ着用洗剤を少量なじませて前処理できる場合があります。
ただし、すべての洗剤が原液塗布に対応しているわけではありません。
洗剤の使用方法を確認し、原液塗布が認められている場合だけ行いましょう。
色落ちが心配な場合は、目立たない部分に洗剤液を付け、白い布で押さえて色が移らないか確認してください。
強くこすらない
汚れた部分を強くこすると、毛羽立ちや色落ちの原因になります。
洗剤をなじませたら、指や柔らかい布で軽く押さえるように処理しましょう。
歯ブラシや硬いブラシを使用すると、編み地を傷める可能性があります。
落ちにくいシミは専門店に相談する
血液、インク、油性ペン、ワイン、化粧品などは、汚れの種類によって適切な処理方法が異なります。
自己判断で漂白剤や強力なシミ抜き剤を使用すると、色抜けや輪ジミが起こる可能性があります。
高価なセーターや家庭洗濯禁止の製品は、無理に処理せずクリーニング店へ相談しましょう。
セーター用洗剤を選ぶ際のチェックリスト
セーター用洗剤を購入するときは、次の順番で確認すると失敗を防ぎやすくなります。
- セーターが家庭で洗えるか
- 洗濯機洗いか手洗いか
- 洗濯時の上限温度は何℃か
- ウールやカシミヤなどが含まれているか
- 洗剤の液性が中性か
- 用途欄に毛・絹・ウールが含まれているか
- 酵素や漂白剤が入っていないか
- 蛍光増白剤が入っていないか
- 洗濯機の弱水流コースに対応しているか
- 使用量やすすぎ回数を守れるか
洗剤の商品名や「おしゃれ着用」という言葉だけでなく、セーターと洗剤の両方の表示を確認することが重要です。
まとめ
セーターの洗濯には、毛・絹・ウール・おしゃれ着への使用が明記された中性洗剤が適しています。
ウール、カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなどには、おしゃれ着用中性洗剤またはウール専用洗剤を選びましょう。
弱アルカリ性洗剤、洗濯石けん、酵素入り一般洗剤、塩素系・酸素系漂白剤は、動物性繊維のセーターには基本的に使用しません。
また、適切な洗剤を使っても、強くこすったり、高温の水で洗ったり、長時間つけ置きしたりすると、縮みや型崩れが起こる可能性があります。
洗濯表示を最優先にし、規定量の洗剤を使って短時間で優しく洗うことが、セーターの形や風合いを長く保つポイントです。
以上、セーターの洗い方に適した洗剤についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

