セーターの定義について

セーターは秋冬の定番アイテムですが、

「ニットやカーディガンとは何が違うのか」

「ウール以外で作られたものもセーターと呼ぶのか」

と疑問に思うこともあるでしょう。

セーターには狭い意味と広い意味があり、使われる場面によって指す範囲が異なります。

ここでは、セーターの正確な定義をはじめ、名前の由来、代表的な素材や種類、ニット・カーディガン・トレーナーなどとの違いを詳しく解説します。

目次

セーターとは

セーターとは、糸を編んで作られた、主に上半身に着用する衣服のことです。

棒針編み、機械編み、かぎ針編みなど、さまざまな方法で作られます。

日本の日常会話では、前面に大きな開きがなく、頭からかぶって着るニットトップスをセーターと呼ぶのが一般的です。

ただし、広い意味でのセーター類には、カーディガン、ニットベスト、ボレロなども含まれます。

狭い意味では頭からかぶるニットトップス

狭い意味でのセーターは、前開きがなく、頭からかぶって着るニット製の上衣を指します。

この形は「プルオーバー型」と呼ばれます。

クルーネック、Vネック、タートルネックなど、襟の形にかかわらず、前開きがなく頭からかぶって着るニットトップスであれば、一般的にセーターとして扱われます。

日本で単に「セーター」といった場合は、このプルオーバー型を指すことが多いでしょう。

広い意味ではカーディガンやベストも含まれる

広い意味でのセーター類には、前開きのカーディガン、袖のないニットベスト、丈の短いボレロなども含まれます。

消費者庁による分類でも、広義のセーター類には、狭義のセーター、ベスト、カーディガン、ボレロなどが含まれています。

ただし、一般的な日本語では、セーター、カーディガン、ベストを別々の衣服として呼び分けるのが普通です。

そのため、日常的な呼び方と、衣料品の品質表示などに用いられる広い分類は分けて考える必要があります。

セーターの素材はウールに限定されない

セーターには羊毛を使用したものが多いため、「セーターはウール製の衣服」と思われることがあります。

しかし、セーターの定義は素材だけで決まるものではありません。

綿、麻、絹、カシミヤ、アクリル、ポリエステルなどで作られたものも、編み物の上衣であればセーターに含まれます。

したがって、ウールを使用していないからといって、セーターではないとは限りません。

参考サイト

セーターとは? 意味や使い方 – コトバンク

セーターの主な特徴

セーターには、編み地ならではの柔らかさや立体感があります。

ただし、伸縮性や保温性は、使用されている素材、糸の太さ、編み方、編み目の密度などによって異なります。

編み地で作られている

セーターの大きな特徴は、糸をループ状に絡ませて作る編み地が使われていることです。

一般的な織物は、縦糸と横糸を交差させて生地を作ります。

これに対して編み物は、糸で連続した輪を作り、その輪に次の輪を通しながら形成していきます。

この構造によって、編み地には柔軟性や伸縮性が生まれやすくなります。

ただし、実際の伸びやすさは編み方や素材によって異なるため、すべてのセーターが大きく伸縮するわけではありません。

保温性を持たせやすい

セーターは、糸や編み目の間に空気を含みやすく、保温性を持たせやすい衣服です。

特にウールやカシミヤなどを使用したセーターは、繊維の間に空気を含みやすいため、秋冬の防寒着として適しています。

一方、薄手のコットンセーターやリネンセーターは、比較的軽く、春夏にも着用できます。

保温性は「セーターであるかどうか」だけではなく、素材、厚さ、編み目の細かさなどによって変わります。

さまざまな季節に着用できる

セーターは秋冬用という印象が強いものの、使用する素材や編み方によっては春夏にも着用できます。

春夏向けの薄手のセーターは、サマーセーターやサマーニットと呼ばれます。

コットン、リネン、レーヨンなどが使われることが多く、軽い着心地や肌触りを重視して作られています。

ただし、衣服の通気性は素材だけでは決まりません。

糸の太さ、生地の厚さ、編み目の密度などによっても変わるため、季節に合った製品を選ぶことが重要です。

セーターという名前の由来

セーターという言葉は、英語の「sweater」に由来します。

「sweat」には、汗をかくという意味があります。

英語の「sweater」が語源

英語の「sweater」には、もともと「汗をかく人」や「汗をかかせるもの」という意味があります。

発汗を促すために着用された衣服を指したことが、現在の衣服名につながったとされています。

その後、防寒用や日常用の編み物の上衣を表す言葉として広まりました。

なお、運動選手が減量のために着用したことが語源であるという説も紹介されていますが、由来の説明には資料によって違いがあります。

そのため、「汗をかかせる衣服に由来する」と説明するのが適切です。

英語圏では地域によって呼び方が異なる

アメリカ英語では、上半身に着用する編み物の衣服を広く「sweater」と呼びます。

前開きのものについては、「cardigan」や「cardigan sweater」と表現することがあります。

イギリス英語では「jumper」という言葉が一般的に使われますが、「sweater」や「pullover」も使用されます。

同じ英語でも、国や地域によって言葉の使い方が異なる点に注意が必要です。

セーターに使われる主な素材

セーターの着心地、保温性、耐久性、洗濯方法は、使用されている素材によって大きく変わります。

複数の繊維を組み合わせた混紡素材も多いため、購入時や洗濯前には品質表示を確認しましょう。

ウール

ウールは、一般的に羊毛を原料とする繊維です。

繊維の間に空気を含みやすく、保温性に優れています。

吸湿性もありますが、摩擦や水分、温度変化が加わると縮みやフェルト化が起こることがあります。

ウールセーターを洗うときは、必ず洗濯表示を確認することが大切です。

カシミヤ

カシミヤは、カシミヤヤギの産毛から作られる繊維です。

細くて柔らかく、軽さと保温性を兼ね備えています。

一方、摩擦に弱く、毛玉や毛羽立ちが起こりやすいため、丁寧な取り扱いが必要です。

モヘヤ

モヘヤは、アンゴラヤギの毛から作られる繊維です。

光沢があり、ふんわりとした毛足を持っています。

アンゴラという名称が含まれていますが、一般的にアンゴラと表示される繊維とは異なります。

アンゴラ

アンゴラは、一般的にアンゴラウサギの毛から作られる繊維です。

軽くて柔らかく、暖かいのが特徴です。

毛が抜けたり、ほかの衣服に付着したりすることがあるため、着用時や保管時には注意が必要です。

アルパカ

アルパカは、南米などで飼育されるアルパカの毛から作られる繊維です。

保温性があり、滑らかな肌触りと光沢を持っています。

製品によっては毛足が長く、摩擦による毛羽立ちが目立つことがあります。

コットン

コットンは、綿花を原料とする植物繊維です。

比較的肌触りがよく、ウール特有のチクチク感が苦手な人にも選ばれています。

ウールセーターに比べると保温性は控えめですが、季節の変わり目や春夏向けのセーターにも適しています。

リネン

リネンは、亜麻から作られる植物繊維です。

さらりとした肌触りと、独特の光沢感があります。

吸湿性を持つ一方で、シワができやすい性質もあります。

薄手に編まれたリネンセーターは、主に春夏向けの衣服として使用されます。

アクリル

アクリルは、ウールに似た風合いを持たせやすい合成繊維です。

比較的軽く、発色がよいため、幅広いセーターに使用されています。

一方、摩擦によって静電気や毛玉が発生することがあります。

ポリエステル

ポリエステルは、耐久性があり、型崩れやシワが起こりにくい合成繊維です。

ウール、綿、レーヨンなどと組み合わせて使用されることもあります。

速乾性を持つ製品が多い一方、編み方や加工方法によって着心地は異なります。

セーターとニットの違い

セーターとニットは、日常会話では同じ意味で使われることがあります。

しかし、厳密には指しているものの範囲が異なります。

ニットは編み方や編み地を表す言葉

ニットとは、英語の「knit」に由来する言葉です。

糸を編むこと、編んで作られた生地、編み物製品などを広く表します。

そのため、ニットは特定の衣服だけを指す言葉ではありません。

ニット帽、ニット手袋、ニットマフラー、ニットスカート、ニットワンピースなどもニット製品に含まれます。

セーターはニット製品の一種

セーターは、数あるニット製品のうち、主に上半身に着用する衣服を指します。

つまり、ニットという大きな分類の中に、セーターが含まれる関係です。

ただし、衣料品店では、セーターやカーディガンなどのニットトップスをまとめて「ニット」と表示することがあります。

日常会話においては、「白いセーター」と「白いニット」がほぼ同じ意味で使われることも珍しくありません。

セーターとプルオーバーの違い

プルオーバーとは、前面に大きな開きがなく、頭からかぶって着る衣服の形を指します。

セーターとの違いは、言葉が示している対象にあります。

プルオーバーは衣服の形を表す

プルオーバーは、英語の「pull over」に由来します。

頭から引っ張るようにして着用する形であることから、このように呼ばれています。

プルオーバーという言葉は、素材や編み方を限定するものではありません。

ニットだけでなく、スウェット生地、フリース生地、織物生地などで作られた衣服にも使われます。

セーターの多くはプルオーバー型

日本でセーターと呼ばれる衣服の多くは、頭からかぶって着るプルオーバー型です。

ただし、プルオーバー型の衣服がすべてセーターに該当するわけではありません。

例えば、頭からかぶって着るトレーナーやパーカーもプルオーバー型ですが、一般的にはセーターとは呼ばれません。

セーターは衣服の種類を示し、プルオーバーは衣服の形や着用方法を示す言葉だと考えると分かりやすいでしょう。

セーターとカーディガンの違い

日本では、前開きの有無によってセーターとカーディガンを呼び分けるのが一般的です。

セーターは頭からかぶって着る

一般的なセーターには、前面を全開にできるボタンやファスナーが付いていません。

襟ぐりから頭を通して着用します。

一部に短いファスナーやボタンが付いたハーフジップセーターなどもありますが、前面全体が開かないものはセーターとして扱われます。

カーディガンは前を開けて着られる

カーディガンは、前面が開くニット製の上衣です。

ボタン、ファスナー、ホックなどで留めるものや、留め具を使わずに羽織るものがあります。

日本の日常的な分類では、セーターとカーディガンは別のアイテムとして扱われます。

ただし、広い意味では、カーディガンもセーター類の一種です。

セーターとトレーナーの違い

セーターとトレーナーは、どちらも上半身に着用する衣服ですが、一般的な生地や製造方法が異なります。

トレーナーはスウェットシャツを指す和製英語

日本で使われる「トレーナー」は、主にスウェットシャツを指す和製英語です。

英語では一般的に「sweatshirt」と呼ばれます。

トレーナーには、表面が滑らかで、裏面がパイル状または起毛したスウェット生地が多く使われます。

トレーナーも広い意味ではニット生地を使っている

スウェット生地も、広い意味では糸を編んで作られるニット生地の一種です。

そのため、「セーターは編み物で、トレーナーは編み物ではない」と単純に区別することはできません。

一般的なセーターは、セーター用の糸を使って衣服の形やパーツを編む方法で作られます。

一方、トレーナーは、あらかじめ作られたスウェット生地を裁断し、縫い合わせて作るのが一般的です。

衣料品の分類では、セーターはニットウェア、トレーナーはスウェットウェアやカットソーとして扱われます。

セーターとカットソーの違い

カットソーは、「cut and sewn」をもとにした日本のファッション用語です。

一般的には、編んで作られた生地を裁断し、縫製した衣服を指します。

カットソーは生地を裁断して縫製する

Tシャツ、長袖Tシャツ、ポロシャツ、スウェットシャツなどが、カットソーの代表例です。

これらは、あらかじめ作られたニット生地からパーツを裁断し、ミシンなどで縫い合わせて作られます。

セーターにも複数の製造方法がある

一般的なセーターは、身頃や袖などを衣服の形に合わせて編み、それぞれのパーツをつなぎ合わせて作ります。

このほか、編み目を増減させながらパーツの形を作るフルファッション方式や、衣服全体を立体的に編み上げる無縫製方式などもあります。

一方、セーター用の編み地を裁断し、縫い合わせて作るカットアンドソーン方式も存在します。

そのため、「セーターは編んで作り、カットソーは縫って作る」と完全に分けることはできません。

一般的な製品の特徴や、衣料品売り場での分類として区別されていると考えるのが適切です。

セーターの主な種類

セーターは、襟ぐりやシルエットによってさまざまな種類に分けられます。

それぞれ見た目や首元の暖かさが異なるため、季節やコーディネートに合わせて選びましょう。

クルーネックセーター

クルーネックセーターは、首元に沿った丸い襟ぐりを持つセーターです。

最も基本的な形の一つで、カジュアルからビジネスカジュアルまで幅広く使えます。

クルーネックという名称は、この襟型のセーターをボート競技の漕手たちが着用していたことに由来するとされています。

Vネックセーター

Vネックセーターは、襟ぐりがV字型に開いたセーターです。

首元をすっきりと見せやすく、シャツやブラウスとの重ね着にも適しています。

V字の深さによって、カジュアルにも上品にも見せられます。

タートルネックセーター

タートルネックセーターは、首を覆う高さのある襟が付いたセーターです。

襟を折り返して着るものが一般的ですが、折り返さずに着用するデザインもあります。

首元まで覆えるため、防寒性を重視したいときに適しています。

ハイネックセーター

ハイネックセーターは、通常よりも高い襟が付いたセーターです。

タートルネックほど襟が長くなく、基本的には折り返さずに着用します。

首元を適度に覆いながら、すっきりとした印象を与えられます。

モックネックセーター

モックネックセーターは、クルーネックよりも襟が高く、タートルネックよりも低いデザインです。

モックタートルネックと呼ばれることもあります。

首元の露出を抑えながら、タートルネックほど締め付けを感じにくいのが特徴です。

ボートネックセーター

ボートネックセーターは、首元が横方向に広く、浅い曲線を描く襟ぐりを持つセーターです。

フランス語の「bateau」に由来し、バトーネックとも呼ばれます。

鎖骨周辺をすっきりと見せやすく、上品な印象を作れるデザインです。

ニットベスト

ニットベストは、袖のないニット製の上衣です。

日本の日常的な分類では、セーターではなくベストと呼ばれるのが一般的です。

ただし、広義のセーター類にはニットベストも含まれます。

英語では「sweater vest」と表現されることがあります。

ゲージによるセーターの違い

セーターは、編み目の細かさによってハイゲージ、ミドルゲージ、ローゲージなどに分類されます。

ただし、これらの区分に完全に統一された基準があるわけではありません。

ブランドやメーカーによって、分類が異なる場合があります。

ハイゲージセーター

ハイゲージセーターは、一般的に細い糸を使って細かな編み目に仕上げたセーターです。

表面が滑らかで、比較的薄手に仕上がります。

ジャケットやコートの下に重ねても着膨れしにくく、ビジネスカジュアルにも取り入れやすいタイプです。

ミドルゲージセーター

ミドルゲージセーターは、ハイゲージとローゲージの中間程度の編み目を持つセーターです。

適度な厚みがあり、一枚でも重ね着でも使いやすいのが特徴です。

幅広い季節やコーディネートに対応できます。

ローゲージセーター

ローゲージセーターは、一般的に太い糸を使って粗めに編んだセーターです。

編み目が見えやすく、厚みと立体感があります。

ケーブル編みなどの模様を生かしやすく、暖かみのあるカジュアルな印象になります。

セーターについてよくある誤解

セーターは身近な衣服ですが、素材やニットとの関係について誤解されることがあります。

ウール製でなければセーターではない

セーターは、ウール製の衣服だけを指す言葉ではありません。

コットン、リネン、カシミヤ、アクリル、ポリエステルなど、さまざまな素材で作られます。

セーターかどうかを判断するときは、素材だけでなく、衣服の形や編み地の構造も確認する必要があります。

厚手の衣服だけがセーターである

セーターには、厚手のローゲージセーターだけでなく、薄手のハイゲージセーターもあります。

春夏向けのサマーセーターも存在するため、厚さだけでセーターかどうかを判断することはできません。

ニットとセーターは完全に同じである

日常会話では、ニットとセーターがほぼ同じ意味で使われることがあります。

しかし、厳密にはニットのほうが広い意味を持ちます。

ニットは編み方や編み地、編み物製品全般を表し、セーターはニット製品の一種です。

カーディガンはセーターに含まれない

日本ではセーターとカーディガンを別々の衣服として呼び分けるのが一般的です。

ただし、広義のセーター類にはカーディガンも含まれます。

どちらが正しいということではなく、日常的な呼び方と広い分類で指す範囲が異なります。

セーターの定義に関するまとめ

セーターとは、糸を編んで作られた、主に上半身に着用する衣服です。

狭い意味では、前開きがなく、頭からかぶって着るプルオーバー型のニットトップスを指します。

広い意味でのセーター類には、カーディガン、ニットベスト、ボレロなども含まれます。

また、セーターの素材はウールに限定されません。

カシミヤ、モヘヤ、アンゴラ、コットン、リネン、アクリル、ポリエステルなど、幅広い素材が使用されています。

以上、セーターの定義についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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