セーターをハンガーに掛けていたら、「肩に出っ張りができた」「着丈が伸びた」という経験がある方もいるのではないでしょうか。
セーターは編み物であるため、シャツやジャケットと比べて自重の影響を受けやすく、掛け方によっては型崩れする場合があります。
ただし、すべてのセーターがハンガー収納に適していないわけではありません。
素材、編み方、厚み、重さ、保管期間などを考慮して、収納方法を選ぶことが大切です。
ここでは、セーターをハンガーに掛ける際の注意点や、型崩れしにくい掛け方、適したハンガーの選び方について詳しく解説します。
セーターをハンガーに掛けるときに注意が必要な理由
セーターの重みで着丈が伸びる場合がある
セーターを一般的な方法でハンガーに掛けると、衣類の重みが肩部分に集中しやすくなります。
特に厚手のセーターやローゲージニットは重さがあるため、長期間掛けたままにすると、着丈や身幅が縦方向へ伸びる場合があります。
ウール、カシミヤ、綿などのニット製品は、編み目や素材によって伸びやすさが異なります。
軽くて目の詰まったセーターであれば目立った変化が起こらないこともありますが、重くて編み目の粗いセーターは注意したほうがよいでしょう。
肩にハンガーの跡が付くことがある
セーターの肩幅とハンガーの幅が合っていないと、肩に出っ張りやへこみができることがあります。
ハンガーが狭すぎる場合は、本来の肩先よりも内側に負荷が集中し、盛り上がったような跡が付く可能性があります。
反対に、ハンガーが広すぎる場合は、袖側までハンガーの先端が入り込み、不自然な位置に跡が付くことがあります。
細い針金ハンガーや薄いプラスチックハンガーも、接触する面積が小さいため、肩部分へ負担が集中しやすい傾向があります。
襟元が伸びる可能性がある
ハンガーを襟ぐりから無理に入れると、首元のリブや編み目が広がる場合があります。
クルーネックやタートルネックなど、襟ぐりの小さいセーターは特に注意が必要です。
伸縮性があるからといって強く引っ張ると、襟元が戻りにくくなることも考えられます。
ハンガーを使用する場合は、襟ぐりを広げず、裾側から入れると負担を抑えやすくなります。
袖だけが伸びることがある
長袖のセーターを掛けたとき、袖をそのまま垂らしていると、袖口方向へ重みがかかります。
厚手の袖や装飾の付いた袖は重くなりやすいため、袖丈が伸びる可能性があります。
袖をハンガーの肩部分に掛けるなど、重さが一部分へ集中しないように工夫するとよいでしょう。
ハンガー掛けを避けたほうがよいセーター
厚手で重いセーター
厚手のウールセーターやケーブルニットなどは、衣類そのものに重さがあります。
長期間ハンガーに掛けると、肩や着丈へ負担がかかり、シルエットが変わる場合があります。
重いセーターは、たたんで収納したほうが形を保ちやすいでしょう。
編み目が粗いローゲージニット
ざっくりとした編み目のローゲージニットは、編み目の間にゆとりがあるため、重力の影響を受けて伸びることがあります。
ハンガーの先端が編み目へ食い込み、肩に跡が残る可能性もあります。
ローゲージニットは、ハンガーへ通常どおり掛けるよりも、たたんで保管する方法が向いている場合があります。
カシミヤやアンゴラなどのデリケートなセーター
カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなどを使用したセーターは、摩擦や型崩れの影響を受けやすい傾向があります。
ハンガーとの接触によって毛並みがつぶれたり、肩に跡が付いたりすることも考えられます。
高価なセーターや風合いを維持したいセーターは、たたんで保管するほうが安心でしょう。
装飾が付いたセーター
ビーズ、スパンコール、刺繍、金属パーツなどが付いたセーターは、装飾の重さによって生地が伸びる場合があります。
特に胸元や袖へ多くの装飾が付いている場合は、一部分へ負担が集中しやすくなります。
装飾部分がほかの衣類やハンガーへ引っ掛かる可能性もあるため、たたんで保管する方法を検討するとよいでしょう。
洗濯後のぬれたセーター
洗濯後のセーターは水分を含み、乾いた状態よりも重くなっています。
そのままハンガーへ掛けると、身頃や袖が下へ引っ張られ、着丈や袖丈が伸びる場合があります。
特に編み目の粗いニットや脱水が不十分なセーターは、型崩れしやすい傾向があります。
洗濯表示で平干しが指定されている場合は、平干しネットなどを使用するのが適しています。
ハンガー収納が比較的向いているセーター
軽くて薄手のセーター
ハイゲージニットなど、薄手で軽いセーターは、厚手のセーターと比べて自重による負担が少ない傾向があります。
肩幅に合ったハンガーを使用し、短期間だけ掛けるのであれば、大きな型崩れが起こらない場合もあります。
ただし、素材や編み方によっては薄手でも伸びる可能性があるため、定期的に状態を確認すると安心です。
目の詰まったセーター
編み目が細かく、生地が安定しているセーターは、ローゲージニットと比べて形が崩れにくい場合があります。
それでも長期間掛け続けると肩に負担がかかる可能性があるため、季節をまたぐような長期保管ではたたむ方法も検討しましょう。
短時間だけ掛ける場合
着用前の一時置きや、脱いだあとの湿気を飛ばす目的で短時間掛ける程度であれば、ハンガーを使用できるケースがあります。
ただし、汗や湿気を含んだ状態では伸びやすくなることもあるため、重いセーターは平らな場所で休ませる方法も選択肢になります。
セーターに適したハンガーの選び方
肩幅に合ったハンガーを選ぶ
セーターの肩先とハンガーの先端が、おおむね同じ位置にくるものを選ぶと、肩への負担を分散しやすくなります。
ハンガーが小さすぎると肩の内側に跡が付きやすく、大きすぎると袖側へ出っ張りができる可能性があります。
体格やセーターのサイズによって適切な幅は異なるため、ハンガーの表示サイズだけでなく、実際に掛けた状態も確認しましょう。
厚みと丸みのあるハンガーを選ぶ
肩部分に厚みと丸みがあるハンガーは、セーターと接触する面積が広くなるため、負担を分散しやすいと考えられます。
肩先が急に細くなっているものより、なだらかなカーブが付いているもののほうが、出っ張りを防ぎやすい場合があります。
ジャケット用の厚いハンガーでも代用できることがありますが、セーターの肩幅と形に合っているか確認してください。
滑りにくい素材を選ぶ
表面に起毛加工や滑り止め加工が施されたハンガーは、襟ぐりが広いセーターやカーディガンの滑り落ち対策として役立つ場合があります。
ただし、表面が粗いものは、デリケートな毛糸へ引っ掛かったり、毛羽立ちを起こしたりする可能性があります。
カシミヤやモヘヤなどには、表面が滑らかでありながら衣類を支えられるハンガーを選ぶとよいでしょう。
細い針金ハンガーは避ける
細い針金ハンガーは肩へかかる圧力が集中しやすく、セーターに角張った跡が付く場合があります。
重いセーターでは、衣類の重さによってハンガー自体が変形することもあります。
一時的な使用であっても、できるだけ厚みのあるハンガーへ掛け替えると安心です。
クリップ付きハンガーは慎重に使用する
クリップでセーターを挟むと、生地に挟み跡が残ったり、編み目が傷んだりする場合があります。
クリップを使う必要がある場合は、当て布を挟み、目立ちにくい部分を弱い力で留める方法があります。
ただし、デリケートな素材やローゲージニットには使用しないほうがよいでしょう。
セーターを通常どおりハンガーに掛ける方法
ハンガーは裾側から入れる
襟元の伸びを抑えるため、ハンガーを裾側から入れます。
セーターの中を通して肩部分まで移動させ、左右の肩へ均等に合わせてください。
襟ぐりから無理に押し込むと、首元のリブや編み目が広がる場合があります。
肩の縫い目とハンガーの位置を合わせる
セーターを掛けたら、肩の縫い目とハンガーのカーブが合っているか確認します。
肩先より内側でハンガーが終わっている場合や、袖の中まで先端が入っている場合は、サイズが合っていない可能性があります。
前後の身頃がねじれていないか、片側へ偏っていないかも確認しましょう。
袖を軽く支える
袖が重いセーターは、袖をそのまま垂らさず、ハンガーの肩部分へ軽く掛ける方法があります。
左右の袖を胸元で交差させるように置くと、袖口へかかる負担を軽減できる場合があります。
ただし、長時間同じ位置で折っていると折り跡が付く可能性もあるため、定期的に状態を確認してください。
カーディガンは前を軽く留める
カーディガンを前開きのまま掛けると、左右の身頃が別々に引っ張られ、前立てが伸びる場合があります。
上部と中央のボタンを数か所留めておくと、重さを分散しやすくなることがあります。
すべてのボタンを無理に留める必要はありませんが、左右の身頃が大きく開かない状態にすると形を保ちやすいでしょう。
型崩れしにくいハンガーを使ったたたみ方
セーターを縦半分に折る
通常の掛け方で肩跡や着丈の伸びが気になる場合は、セーターをハンガーへ直接着せず、折りたたんで掛ける方法があります。
まず、セーターの前身頃または後ろ身頃を上にして、平らな場所へ広げます。
左右の袖と肩を合わせるように、セーターを縦半分に折ります。
袖がねじれたり、襟が折れ込んだりしていないか確認してください。
脇の下へハンガーのフック部分を置く
縦半分に折ったセーターの脇の下付近へ、ハンガーのフック部分がくるように置きます。
ハンガーの片側には身頃、もう片側には袖が位置する状態になります。
身頃と袖の重さを左右へ分けることで、肩だけへ負担が集中しにくくなると考えられます。
身頃と袖をハンガーへ折り掛ける
身頃をハンガーの一方へ折り掛け、袖を反対側へ折り掛けます。
裾や袖口が大きく垂れ下がらない位置に調整してください。
滑りやすい素材の場合は、表面に滑り止め加工があるハンガーを使うと安定しやすくなります。
ただし、重いセーターでは折り掛けた部分に跡が付くこともあるため、長期間の保管にはたたみ収納のほうが向いている場合があります。
洗濯後にセーターをハンガーで干す際の注意点
最初に洗濯表示を確認する
セーターの適切な干し方は、素材名だけでは判断できないことがあります。
洗濯表示には、つり干し、平干し、日陰干しなどの方法が示されているため、表示内容を確認してください。
平干しの表示があるセーターは、ハンガーへ掛けず、平干しネットなどを使用する方法が適しています。
ぬれたセーターを1本のハンガーへ掛けない
ぬれたセーターは水分を含んで重くなっています。
1本のハンガーへ通常どおり掛けると、肩、身頃、袖へ負担がかかり、縦方向に伸びる場合があります。
編み目の粗いセーターや、厚手で水を含みやすいセーターは特に注意が必要です。
平干しを検討する
洗濯表示で認められている場合は、平干しネットの上へセーターを広げて乾かす方法があります。
形を整えた状態で平らに置くことで、水分の重みが肩へ集中するのを抑えやすくなります。
直射日光による色あせや素材への影響が気になる場合は、風通しのよい日陰を選ぶとよいでしょう。
平干しできない場合は重さを分散する
平干しする場所がない場合は、物干し竿へ身頃を二つ折りにして掛ける方法があります。
袖も身頃と一緒に竿へ載せ、垂れ下がらないようにすると、袖丈が伸びるのを抑えやすくなります。
ハンガーを使用する場合は、複数本を使って身頃や袖を支え、重さを分散させる方法も考えられます。
ただし、最終的にはセーターの洗濯表示に記載された乾燥方法を優先してください。
乾いたら速やかに取り込む
セーターが乾いたあとも長時間ハンガーや物干し竿へ掛けていると、跡が付く場合があります。
完全に乾いたことを確認したら、速やかに取り込み、形を整えて収納するとよいでしょう。
湿った部分が残ったまま収納すると、においやカビにつながる可能性があるため、脇、袖口、襟元なども確認してください。
セーターを長期間保管するときの注意点
基本的にはたたみ収納を検討する
厚手のセーターやデリケートなセーターは、長期間ハンガーへ掛けるより、たたんで収納したほうが型崩れを防ぎやすい場合があります。
肩や袖へ衣類の重さがかからないため、着丈の伸びや肩跡を抑えやすくなります。
ただし、衣装ケースへ詰め込みすぎると、強い折りジワや編み目のつぶれが生じることがあります。
上から重い衣類を何枚も重ねず、余裕のある状態で収納するとよいでしょう。
汚れを落としてから保管する
一見きれいに見えるセーターにも、汗、皮脂、食べこぼしなどが残っている場合があります。
汚れが残ったまま長期保管すると、黄ばみや虫食い、においにつながる可能性があります。
洗濯表示に従って洗うか、必要に応じてクリーニングへ出し、完全に乾燥させてから収納しましょう。
クローゼットへ詰め込みすぎない
ハンガー同士の間隔が狭いと、セーターがほかの衣類に押され、毛並みがつぶれたり、シワが付いたりする場合があります。
衣類同士が強く密着しない程度の間隔を確保すると、取り出す際の摩擦も抑えやすくなります。
湿気がこもりやすいクローゼットでは、定期的な換気や除湿も検討するとよいでしょう。
ビニールカバーを長期間掛けたままにしない
クリーニング後に付いているビニールカバーは、運搬時に衣類を保護する目的で使われていることがあります。
長期間付けたままにすると、湿気がこもる場合があるため、保管前に外したほうがよいケースがあります。
ほこりを防ぎたい場合は、通気性のある不織布カバーなどを検討するとよいでしょう。
肩にハンガー跡が付いた場合の対処法
軽い跡なら湿気を与えて整える
肩に軽い出っ張りができた場合は、洗濯表示を確認したうえで、霧吹きやスチームで少量の湿気を与えると整えやすくなることがあります。
その後、手のひらで肩の形をやさしく整え、平らな状態で乾かします。
アイロンを生地へ直接押し付けると、テカリや風合いの変化が起こる可能性があるため注意してください。
スチームの使用可否を確認する
ウールや化学繊維は熱の影響を受ける場合があります。
スチームを使用する前にアイロン表示を確認し、表示に合った温度へ設定してください。
目立たない部分で試してから、アイロンを少し浮かせて蒸気を当てる方法が比較的取り入れやすいでしょう。
跡が戻らない場合は無理に伸ばさない
ハンガー跡が強く残っている場合や、編み目そのものが変形している場合は、家庭で完全に戻せない可能性があります。
何度もぬらしたり、強く引っ張ったりすると、生地を傷めることも考えられます。
大切なセーターであれば、ニットの型直しに対応しているクリーニング店へ相談すると安心です。
参考サイト
ニットのハンガー跡の直し方!おすすめの収納方法やニットハンガーも | 家事 | オリーブオイルをひとまわし
セーターをハンガーに掛ける際のポイントまとめ
セーターは、素材や編み方、厚み、重さによって、ハンガー収納に向いているかどうかが異なります。
薄手で軽く、編み目の詰まったセーターは短期間であれば掛けて保管できる場合があります。
一方、厚手のウール、ローゲージニット、カシミヤ、装飾付きのセーターなどは、たたみ収納のほうが型崩れを防ぎやすいでしょう。
ハンガーを使用するときは、肩幅に合った厚みのあるものを選び、襟元を伸ばさないよう裾側から入れます。
通常の掛け方で肩跡が気になる場合は、セーターを縦半分に折り、身頃と袖をハンガーへ折り掛ける方法も選択肢になります。
洗濯後のぬれたセーターは、自重によって伸びやすくなる場合があるため、洗濯表示に従って平干しする方法を検討してください。
セーターの状態を定期的に確認しながら、素材や保管期間に合った方法を選ぶことが、きれいな形を長く保つことにつながります。
以上、縮んだセーターを元に戻す方法についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

