セーターのしわは、スチームや霧吹きで適度な水分を与え、形を整えることで目立ちにくくできます。
ただし、素材や洗濯表示を確認せずに熱や水分を加えると、縮みや変形につながりかねません。
大切なのは、しわを力任せに引っ張るのではなく、繊維をやさしく整えることです。
セーターの状態に合った方法を選び、風合いやシルエットを守りながらしわを伸ばしましょう。
セーターにしわができる主な原因
畳んだ状態で長期間保管している
セーターを小さく折り畳んだまま保管すると、折り目がしわとして残ることがあります。
収納ケースに衣類を詰め込みすぎた場合も、周囲から圧力がかかり、深いしわがつきやすくなるでしょう。
とくに柔らかいニットや厚手のセーターは、収納時の形が定着しやすい傾向にあります。
必要以上に小さく畳まず、ゆとりのあるスペースに保管することが大切です。
洗濯後に形を整えず干している
水分を含んだセーターは、乾いているときよりも形が崩れやすい状態です。
脱水後に丸まったまま放置すると、その形のまま乾いてしまう場合があります。
洗濯が終わったら早めに取り出し、肩幅や身幅、袖丈、裾を整えてから干してください。
洗濯直後のひと手間が、しわや型崩れの予防につながります。
ハンガーに長時間かけている
セーターを一般的なハンガーにかけ続けると、自重によって身頃や袖が伸びることがあります。
肩にハンガーの先端が当たり、突起のような跡がつくケースも少なくありません。
とくに厚手のニットや柔らかい素材は、吊るしている間に形が変わりやすくなります。
長期間保管するときは、ハンガーではなく畳み収納が適しています。
着用中に圧力や摩擦を受けている
コートの下で生地が押されたり、椅子の背もたれに長時間もたれたりすると、セーターにしわがつく場合があります。
ひじや脇腹、腰まわりなども、動作による折れや摩擦が集中しやすい部分です。
軽い着用じわであれば、着用後に休ませるだけで目立ちにくくなることもあります。
セーターのしわを伸ばす前に確認すること
洗濯表示を確認する
しわを伸ばす前に、セーターの内側についている洗濯表示を確認してください。
家庭で水洗いできるか、アイロンを使えるか、どのような方法で干すべきかを把握します。
アイロンの記号に「×」がついている場合、アイロン仕上げはできません。
低温を示す点が1つの表示は、底面温度120℃を上限とし、スチームなしで仕上げることを意味します。
そのため、「アイロン使用可能ならスチームも使用できる」とは限りません。
「当て布使用」「スチーム禁止」「装飾部分アイロン禁止」などの注意書きがある場合は、その指示にも従いましょう。
素材表示を確認する
セーターには、ウール、カシミヤ、綿、アクリル、ポリエステル、レーヨンなど、さまざまな素材が使われています。
素材によって、熱や水分に対する強さは異なります。
ただし、素材名だけで手入れ方法を判断するのは適切ではありません。
同じウールのセーターでも、編み方や加工、装飾、混用率によって扱い方が変わります。
素材の一般的な特徴を参考にしつつ、製品の洗濯表示を優先してください。
目立たない部分で試す
スチームや霧吹きを使う場合は、裾の裏側など、目立ちにくい場所で試すと安心です。
変色、色落ち、水じみ、縮み、毛羽立ちなどが起こらないか確認します。
とくに濃色のセーターや特殊加工された製品は、慎重に扱いましょう。
セーターのしわを伸ばす基本的な方法
スチームアイロンを浮かせて使う
洗濯表示でスチームを使用できる場合は、スチームアイロンを浮かせて蒸気を当てる方法が効果的です。
まず、セーターをアイロン台や清潔なバスタオルの上に平らに置きます。
肩幅や身幅を無理に広げず、本来の形に近づけるよう整えてください。
次に、洗濯表示に合わせてアイロンの温度を設定します。
アイロン面が編み地に直接触れないように浮かせ、しわのある部分へ均等にスチームを当てましょう。
アイロンを離す距離は、使用する機種によって異なります。
約1センチが目安とされる場合もありますが、必ず取扱説明書を確認してください。
スチームを止めたら、蒸気と熱が少し落ち着くのを待ちます。
その後、やけどに注意しながら、編み目をやさしく整えましょう。
仕上げたセーターは平らな状態で置き、熱と湿気が抜けるまで動かさないことがポイントです。
衣類スチーマーを使う
衣類スチーマーも、セーターの軽いしわを伸ばす際に役立ちます。
使用前に、セーターの洗濯表示とスチーマーの取扱説明書を確認してください。
セーターを平らな場所に置き、ヘッドを強く押し当てずに蒸気を当てます。
同じ場所に集中させず、しわの状態を見ながら少しずつ動かしましょう。
ハンガーにかけて作業する場合は、厚みのあるハンガーを使い、短時間で仕上げます。
スチーム後に濡れたまま吊るし続けると、肩や身頃が伸びるおそれがあります。
作業後は平らな場所に移し、形を整えてから湿気を飛ばしてください。
霧吹きで軽く湿らせる
水分を使用できるセーターであれば、霧吹きでしわを軽く湿らせる方法もあります。
しわの部分へ細かな霧を吹きかけ、表面がわずかに湿る程度にとどめます。
水滴が残るほど濡らすと、水じみや型崩れの原因になるため注意が必要です。
湿らせた後は、編み目に沿って手で形を整えます。
強く引っ張らず、肩幅や身幅、袖丈を本来の位置へ戻すように調整しましょう。
形が整ったら、平干しネットや乾いたバスタオルの上に置きます。
直射日光を避け、風通しのよい場所で陰干ししてください。
なお、アイロン禁止の表示があるからといって、水分を使用できるとは限りません。
家庭洗濯禁止の製品や水じみが心配な素材には、自己判断で霧吹きを使わないことが大切です。
参考サイト
ニットのアイロンがけで失敗しない方法。縮み・テカリを防ぐ正しい手順とシワ予防のコツ | UP LIFE | Panasonic
深いしわや折り目を伸ばす方法
洗濯表示に従って洗い直す
長期間の収納によって深い折りじわがついた場合は、洗い直すことで改善できる可能性があります。
ただし、家庭で水洗いできるセーターに限られます。
洗濯機による洗濯が認められている場合は、セーターを洗濯ネットへ入れます。
洗濯機の取扱説明書に従い、弱水流やおしゃれ着向けのコースを選びましょう。
手洗い表示の場合は、洗濯機の「手洗いコース」を使用できるとは限りません。
コース名に「手洗い」と書かれていても、衣類の表示が手洗いのみなら、基本的には手で洗います。
洗濯後はすぐに取り出し、平らな場所で形を整えてください。
肩幅、身幅、袖丈、襟元、裾を確認してから、洗濯表示に従って乾かします。
当て布をしてアイロンをかける
洗濯表示でアイロン仕上げが認められている場合は、当て布を使う方法も選択できます。
薄手の綿布などをセーターの上に置き、表示された上限温度を守って軽く仕上げます。
強く押しつけたり、同じ場所にアイロンを止めたりしないように気をつけましょう。
とくにリブ編みやケーブル編みは、圧力によって立体感が失われることがあります。
編み模様を残したい場合は、プレスするよりも、使用可能な範囲でスチームを浮かせて当てるほうが向いています。
ハンガー跡の直し方
肩の部分を軽く湿らせる
肩にハンガーの突起跡がついた場合は、水分を使用できる製品か確認します。
問題がなければ、跡の部分を霧吹きで軽く湿らせましょう。
その後、指先で編み目を周囲になじませ、肩の自然な丸みに近づけます。
形を整えたら平らな場所へ置き、風通しのよい日陰で乾かしてください。
スチームで編み目を整える
スチームを使用できるセーターなら、蒸気でハンガー跡を整える方法もあります。
アイロン面やスチーマーのヘッドを生地に押し当てず、少し離した位置から蒸気を当てます。
スチームを止め、熱が落ち着いてから肩の丸みに沿って形を整えましょう。
左右に強く引っ張ると、肩幅が広がる可能性があります。
跡の周囲を少しずつなじませるように調整してください。
素材別に見るしわ伸ばしの注意点
ウール
ウールは、水分を含んだ状態で強くこすると、縮みやフェルト化を起こすことがあります。
摩擦やもみ洗い、急激な温度変化には注意が必要です。
スチームを使用できる場合は、アイロン面を浮かせて短時間ずつ蒸気を当てます。
濡れた状態で強く引っ張らず、本来の形に整えて平干ししましょう。
カシミヤ
カシミヤは繊維が細く、摩擦や強い圧力によって風合いが変わりやすい素材です。
毛羽立ちやテカリを防ぐため、アイロンを直接押し当てないでください。
スチームを使える製品でも、短時間ずつ慎重に作業します。
高価な製品や起毛が強いものは、クリーニング店へ相談するほうが安心です。
アクリル
アクリルは熱によって変形したり、表面にテカリが出たりする場合があります。
アイロンを使用できる製品でも、低い温度から慎重に試しましょう。
低温のアイロン表示ではスチームを使用できません。
表示を確認できない場合は、高温のアイロンやスチームを避けてください。
ポリエステル
ポリエステルは比較的しわがつきにくい一方、高温によって表面が変化することがあります。
適切な温度は製品によって異なります。
洗濯表示の上限温度を守り、目立たない部分から試すと失敗を防ぎやすくなります。
綿
綿のセーターは水分を含むと重くなり、吊り干しによって伸びることがあります。
家庭で洗える製品でも、形を整えて平干しする方法が適しています。
ただし、綿素材だから必ず水洗いできるとは限りません。
編み方や加工、装飾によっては家庭洗濯できない場合があるため、表示を確認してください。
レーヨン
レーヨンには、水分を含むと強度が低下し、縮みや型崩れが起こりやすい製品があります。
部分的な霧吹きによって水じみが残るケースも考えられます。
すべてのレーヨン製品が水洗いできないわけではありません。
家庭洗濯の可否は、素材名ではなく製品の洗濯表示で判断しましょう。
混紡素材
複数の素材を使用したセーターは、製品の洗濯表示を優先します。
表示が確認できない場合は、含まれている素材のうち、熱や水分に弱いものへ合わせるのが安全です。
品質表示タグに記載された混用率も確認しておきましょう。
セーターのしわ伸ばしで避けるべきこと
高温のアイロンを直接当てる
高温のアイロンを直接当てると、編み目がつぶれたり、表面にテカリが出たりします。
合成繊維では、熱による変形が起こるおそれもあります。
使用できる温度を確認し、必要に応じて当て布を使いましょう。
濡れたセーターを強く引っ張る
水分を含んだセーターは、乾いた状態よりも伸びやすくなっています。
しわを取ろうとして身頃や袖を引っ張ると、着丈や袖丈が変わりかねません。
生地を伸ばすのではなく、本来の寸法に戻すように整えることが重要です。
スチームを一か所に当て続ける
同じ場所へ長時間スチームを当てると、生地が必要以上に湿ってしまいます。
型崩れや風合いの変化を防ぐため、蒸気は均等に当てましょう。
ドライヤーの熱風を近くから当てる
ドライヤーの熱風を近距離から当てると、部分的な縮みや変形を招くことがあります。
急いで乾かしたい場合でも、強い熱風は避けてください。
風通しのよい日陰で自然乾燥させる方法が基本です。
表示を確認せず乾燥機に入れる
乾燥機の熱と回転は、縮み、毛羽立ち、フェルト化、型崩れにつながります。
タンブル乾燥禁止のセーターに乾燥機を使用するのは避けるのが無難です。
洗濯表示にある乾燥記号まで確認しましょう。
スチーム中に衣類の裏側へ手を入れる
スチームアイロンや衣類スチーマーから出る蒸気は高温です。
衣類の裏側に手を入れたまま使用すると、布を通過した蒸気でやけどをする危険があります。
蒸気が進む方向には、手や身体を置かないでください。
形を整える作業は、スチームを止め、熱が落ち着いてから行います。
セーターのしわを予防する方法
ゆとりを持たせて畳む
セーターはハンガーにかけ続けず、畳んで保管するのが基本です。
袖を身頃の内側へ折り、必要以上に小さくならないように畳みます。
折り目を毎回同じ位置にしないことも、深いしわの予防につながるでしょう。
収納スペースへ詰め込みすぎない
引き出しや収納ケースへ衣類を詰め込むと、セーターが圧迫されてしわになります。
上から強く押さえなくても収納できる程度に、衣類の量を調整してください。
重い服を何枚も重ねることも避けたほうがよいでしょう。
洗濯後はすぐに形を整える
洗濯や脱水が終わったら、セーターを早めに取り出します。
濡れた状態で放置すると、しわや型崩れが定着しやすくなるためです。
強く振ってしわを伸ばすのではなく、平らな場所で肩幅や身幅を整えましょう。
洗濯前に寸法を測っておくと、元の大きさに戻しやすくなります。
完全に乾かしてから収納する
湿気が残ったまま畳むと、しわだけでなく、においやカビの原因にもなります。
厚手のセーターは、表面が乾いていても、脇や袖の付け根に湿気が残ることがあります。
内側まで乾いていることを確認してから収納してください。
クリーニング店に相談したほうがよいセーター
家庭でのしわ伸ばしが難しいケース
次のようなセーターは、無理に自宅で処理せず、クリーニング店へ相談するのが適切です。
- 家庭洗濯とアイロンの両方が禁止されているもの
- カシミヤ、アンゴラ、モヘヤなどのデリケートな素材
- ビーズや刺しゅう、スパンコールなどの装飾があるもの
- 高価なブランド品や形を崩したくないもの
- 水じみや色落ちが心配なもの
- しわだけでなく、縮みやフェルト化も起きているもの
- 家庭で処理しても深い折り目が残るもの
縮みやフェルト化は、単純なしわとは状態が異なります。
繊維同士が絡み合って硬くなっている場合、スチームだけで元に戻すことは困難です。
セーターのしわ伸ばしに関するよくある質問
アイロンなしでもセーターのしわは伸ばせますか
水分を使用できるセーターであれば、霧吹きで軽く湿らせ、形を整えて平干しする方法があります。
ただし、家庭洗濯禁止の製品や水じみができやすい素材には向きません。
アイロンを使わない場合も、洗濯表示の確認は必要です。
ハンガーにかけたままスチームを当ててもよいですか
洗濯表示とスチーマーの取扱説明書で認められていれば、短時間の作業は可能です。
ただし、スチーム後に濡れたまま吊るしておくと、自重で肩や身頃が伸びることがあります。
作業後は平らな場所へ移し、形を整えてから湿気を取り除きましょう。
浴室の蒸気でしわを伸ばせますか
浴室の蒸気によって、軽いしわが目立ちにくくなることはあります。
一方で、湿度や温度を調整しにくく、セーターが必要以上に湿る可能性も否定できません。
水滴がついたり、ハンガーにかけている間に伸びたりすることもあります。
基本的には、洗濯表示に適合したスチームアイロンや衣類スチーマーを使うほうが安全です。
一度でしわが取れない場合はどうすればよいですか
しわが残っていても、高温のアイロンを押し当ててはいけません。
スチームを長時間当て続けることも避けてください。
一度セーターを冷まし、状態を確認してから少しずつ処理します。
深いしわが取れない場合や生地を傷める不安がある場合は、クリーニング店へ相談しましょう。
セーターのしわは洗濯表示に合った方法で伸ばそう
セーターのしわを伸ばすときは、最初に洗濯表示と素材表示を確認します。
スチームを使用できる場合は、アイロン面を直接押し当てず、蒸気で編み目を整えましょう。
霧吹きを使う方法もありますが、水分を使用できる製品に限られます。
湿らせた後は強く引っ張らず、本来の寸法に近づけて平干しするのがおすすめです。
以上、セーターのしわの伸ばし方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

