セーターに穴や破れを見つけても、傷み方に合った方法を選べば、自宅で補修できる場合があります。
小さな穴は糸で閉じる、擦り切れた部分はダーニングで補強する、縫い目のほつれは縫い合わせ直すなど、状態によって適切な直し方は異なります。
ただし、糸が切れて編み目がほどけているときに強く引っ張ったり、そのまま洗濯したりすると、破れが広がる可能性があります。
まずはセーターを平らな場所に置き、破れの状態を確認してから補修を始めましょう。
セーターが破れたときに最初に確認すること
セーターの破れをきれいに直すには、最初に破損の種類を見極めることが大切です。
見た目は同じような穴でも、糸が切れたもの、編み目が外れたもの、縫い目が開いたものでは、直し方が異なります。
次のポイントを確認しましょう。
- 穴の大きさ
- 糸が切れているか
- 編み目が縦方向にほどけていないか
- 周囲の編み地が薄くなっていないか
- 脇や袖下などの縫い目が開いているだけではないか
- 1か所だけでなく、複数の穴が開いていないか
- 虫食いの可能性がないか
- ウールやカシミヤなどの素材
- メリヤス編みやケーブル編みなどの編み方
- 補修跡を目立たせたくないか
糸が飛び出しているだけで、編み地自体は破れていないこともあります。
この状態で飛び出した糸を切ると、編み目がほどけて本当の穴になってしまうため注意が必要です。
セーターの補修に必要な道具
補修方法によって使う道具は異なりますが、基本的には次のものを用意します。
- セーターに近い色と太さの補修糸
- 毛糸用のとじ針
- 細いダーニング糸に合った針
- かぎ針
- 糸切りばさみ
- 段数マーカーまたは安全ピン
- 待ち針
- ダーニングマッシュルーム
- 必要に応じてニット用の当て布
使用する針は、補修糸の太さやセーターの編み目に合わせて選びます。
太い毛糸を使う場合は毛糸用のとじ針が適していますが、細いダーニング糸を使う場合は、糸と編み地に合った細めの針を選びましょう。
補修糸の選び方
補修跡を目立ちにくくしたい場合は、色だけでなく、太さ、素材、毛羽立ち、光沢まで近い糸を選ぶことが大切です。
購入時に付属していた共糸がある場合は、その糸を使うのが理想です。
共糸がない場合は、手芸店でセーターに近い毛糸やダーニング糸を探しましょう。
セーターの内側に、補修へ利用できる余分な共糸が残されていることもあります。
ただし、縫い目や編み地に必要な糸を無理に抜くと、別の場所がほつれる可能性があります。
使用できる余分な糸かどうか判断できない場合は、手芸店で新しい糸を用意するほうが安全です。
品質表示タグを縫い付けている糸は、セーター本体の編み糸とは太さや素材が異なることが一般的です。
ニットの穴を補修する糸としては適さないため、使用しないようにしましょう。
小さな穴を糸で閉じる方法
糸の欠損が少なく、周囲の編み地がしっかり残っている小さな穴は、穴の周囲にある編み目を拾って閉じられる場合があります。
ただし、穴の大きさだけで補修方法を決めることはできません。
小さな穴でも編み目が何段もほどけている場合や、周囲の生地が薄くなっている場合は、ダーニングや専門店での補修が必要になることがあります。
小さな穴を閉じる手順
- セーターを裏返し、平らな場所に置きます。
- 穴の周囲を引っ張らず、自然な状態に整えます。
- ほどけそうな編み目があれば、段数マーカーや安全ピンで仮止めします。
- とじ針に、セーターと近い色と太さの補修糸を通します。
- 穴から少し離れた丈夫な編み目に補修糸を通します。
- 穴の周囲に残っている編み目を、一つずつ拾います。
- 表側の状態を確認しながら、穴が自然に閉じる程度に糸を引きます。
- 裏側の編み目に糸端を数目くぐらせて処理します。
糸を一度に強く引くと、補修した部分だけが縮み、くぼみやしわが生じます。
数目ずつ糸の張り具合を確認し、周囲の編み地と同じ程度のゆるさを残しましょう。
糸で閉じる方法が向かないケース
編み地が大きく失われている穴を無理に寄せると、セーターの形が崩れます。
次のような場合は、単純に穴を閉じるのではなく、ダーニングや編み目を再現する補修を選びましょう。
- 穴の周囲が薄くなっている
- 糸が複数本切れている
- 編み目が大きく失われている
- 穴を寄せると周囲にしわができる
- 補修部分に強い力がかかる
- 表側から補修跡が大きく目立つ
目落ちした編み目を直す方法
糸が切れていなくても、編み目が縦方向にほどけていることがあります。
この状態は「目落ち」と呼ばれます。
目落ちを見つけたら、最も下にある輪を段数マーカーや安全ピンで留めてください。
そのまま着用したり引っ張ったりすると、さらに下の段までほどける可能性があります。
かぎ針で編み目を戻す手順
- セーターを平らな場所に置きます。
- 最も下にある外れた編み目へ、かぎ針を入れます。
- 編み目の上にある横糸を確認します。
- 横糸をかぎ針で引っかけ、外れた編み目の中へ通します。
- 新しくできた輪へ、次の横糸を順番に通します。
- 元の高さまで戻したら、周囲の編み目と補修糸で固定します。
横糸は、必ず下から順番に拾います。
順番を間違えると、編み目がねじれたり、表裏が逆になったりすることがあります。
この方法は、基本的なメリヤス編みの目落ちに向いています。
ゴム編み、ケーブル編み、透かし編みなどは構造が複雑なため、元の模様を確認しながら編み目を戻さなければなりません。
編み方が分からない場合や、何段もほどけている場合は、無理に直さずニット修理店へ相談しましょう。
ダーニングで穴を補修する方法
ダーニングとは、穴や擦り切れた部分に糸を縦横へ渡し、織物のような補修面を作る方法です。
小さな穴だけでなく、編み地が薄くなった部分や、少し大きな穴の補強にも使用できます。
セーターと近い色の糸を使えば、補修跡をなじませやすくなります。
あえて違う色の糸を使い、補修部分をデザインとして見せる「装飾ダーニング」にする方法もあります。
ただし、ダーニングは元の編み目を完全に再現する技法ではありません。
近い色の糸を使っても補修跡が残る場合があることを理解しておきましょう。
ダーニングに必要なもの
- ダーニング糸または細めの毛糸
- 糸に合った針
- ダーニングマッシュルーム
- ダーニングエッグ
- 硬めのボールなどの丸い補助具
- 糸切りばさみ
ガラス製の電球など、作業中に割れる可能性があるものを代用品にするのは避けましょう。
専用の道具がない場合は、割れにくく、表面が滑らかな丸いものを使用してください。
ダーニングの手順
- セーターの穴の下に、ダーニングマッシュルームなどを入れます。
- 穴の周囲を自然な状態に整えます。
- 必要に応じて、編み地をリングゴムや待ち針で固定します。
- 穴より少し広い範囲に、縦方向の糸を平行に渡します。
- 縦糸と直角になるように、横方向の糸を渡します。
- 横糸を縦糸の上と下へ交互にくぐらせます。
- 織物を作るように、穴全体を埋めていきます。
- 糸端を裏側の編み目へ数目くぐらせて処理します。
- 補助具を外し、表側から形を整えます。
穴のすぐ近くだけに針を通すと、弱った編み地から再び破れる可能性があります。
傷みのない丈夫な編み目まで補修範囲を広げるのがポイントです。
ダーニングをきれいに仕上げるコツ
縦糸と横糸を詰め込みすぎると、補修部分だけが厚く硬くなります。
反対に間隔が広すぎると、穴を十分に覆えません。
元の編み地の厚みや伸び方を確認しながら、糸の間隔を調整しましょう。
細いセーターでは、補修糸を1本取りにするなど、厚みを抑える工夫が必要です。
参考サイト
穴の開いたニットを簡単ステキに修繕出来る素晴らしい技法 ダーニング!!をご紹介します | KNIT LABO BLOG
メリヤス刺しで補修する方法
メリヤス刺しとは、既存のV字形の編み目をなぞるように補修糸を通す方法です。
英語では「duplicate stitch」と呼ばれます。
メリヤス編みのセーターであれば、糸の色や太さを合わせることで、ダーニングよりも編み目になじみやすい場合があります。
メリヤス刺しが向いているケース
- 表面がメリヤス編みになっている
- 周囲の編み目が残っている
- 編み地の一部を補強したい
- 小さな傷みを目立ちにくくしたい
- V字形の編み目を確認できる
既存の編み目をなぞる場合は、V字形の下側から針を出し、一つ上の編み目の左右へ糸を通します。
再び最初の位置付近へ針を戻し、元の編み目の形に沿って補修糸を重ねます。
補修糸を強く引くと、V字形が小さくなり、周囲の編み目との違いが目立ちます。
元の編み目と同じ大きさになるように、糸をゆったりと通しましょう。
大きな穴はメリヤス刺しだけでは直しにくい
編み地が完全に失われている穴は、既存の編み目をなぞるだけでは補修できません。
最初に土台となる糸を渡し、その上に編み目を再現する必要があります。
編み目を一つずつ再構成する補修には、編み物の知識と細かな作業が求められます。
高価なセーターや目立つ場所の穴は、専門店に依頼したほうがきれいに仕上がるでしょう。
縫い目がほつれた場合の直し方
脇、袖下、肩などが開いている場合は、編み地に穴が開いたのではなく、パーツをつないでいる糸が切れている可能性があります。
この場合は、穴をダーニングするのではなく、左右のパーツを縫い合わせ直します。
縫い目を補修する手順
- セーターを裏返します。
- 左右の編み地の端を元の位置に合わせます。
- 残っている縫い目や、元の縫い線を確認します。
- ほどけた縫い糸があれば、これ以上ほどけないように処理します。
- 開いている部分より少し手前の丈夫な場所から縫い始めます。
- 元の縫い方に合わせて、左右の編み地を縫い合わせます。
- 開いている部分を越えて、少し先まで縫います。
- 糸端を裏側で処理し、表側から引きつれがないか確認します。
編み地の端同士を接いでいるセーターでは、「すくいとじ」が自然に仕上がる場合があります。
縫製糸やロックミシンで縫われている製品は、元の縫い線に沿って返し縫いなどで補修します。
元の縫い方が分からない場合は、無理に縫い進めないようにしましょう。
縫い目を強く締めすぎると、その部分だけが硬くなったり、着用時に再び切れたりすることがあります。
大きな破れを当て布で補強する方法
穴が大きい場合や、周囲の編み地まで薄くなっている場合は、穴だけを縫い閉じても再び破れる可能性があります。
このような場合は、セーターの裏側から当て布を付けて補強します。
当て布の選び方
当て布には、セーターと近い伸縮性を持つ薄手のニット生地が適しています。
伸びない布を使用すると、補修部分だけが伸びず、着脱時に負担が集中することがあります。
肌に直接触れる場所を補修する場合は、硬い生地や縫い代の厚い生地を避けましょう。
色の違いが表側から透けることもあるため、できるだけセーターに近い色を選びます。
当て布を使った補修手順
- 穴よりひと回り大きく当て布を切ります。
- 当て布の角を丸く切り、引っかかりにくい形に整えます。
- セーターを平らに置き、裏側から当て布を重ねます。
- 編み地を伸ばさない状態で、待ち針やしつけ糸を使って仮固定します。
- 当て布の周囲を細かく縫い留めます。
- 必要に応じて、表側の穴をダーニングなどで整えます。
- 待ち針やしつけ糸を外し、引きつれがないか確認します。
当て布を強く張った状態で縫い付けると、補修部分が縮んだり、周囲にしわができたりします。
セーターを着用していないときの自然な形に整えてから縫い付けましょう。
補修ワッペンで破れを隠す方法
ひじなどの摩擦が起こりやすい部分は、エルボーパッチや補修ワッペンを付ける方法もあります。
穴を補強しながら、補修部分をデザインとして見せられるのがメリットです。
アイロン接着タイプを使うときの注意点
アイロン接着タイプを使用できるかどうかは、セーターの洗濯表示と補修用品の説明を確認して判断します。
ウール、カシミヤ、アクリルなどは、製品や加工によって使用できる温度が異なります。
素材名だけを見て判断せず、必ずセーターに付いているアイロン表示を確認してください。
アイロン禁止の表示がある場合や、適切な温度が分からない場合は、縫い付けタイプのワッペンを選びましょう。
接着できたように見えても、セーターが伸びることでワッペンの端が剥がれる場合があります。
必要に応じて、ワッペンの周囲を糸で縫い留めると安定しやすくなります。
引っかけて飛び出した糸の直し方
セーターをアクセサリーや家具に引っかけると、糸が表側へ飛び出すことがあります。
糸が切れていなければ、編み地自体には穴が開いていない可能性があります。
飛び出した糸を戻す手順
- セーターを平らな場所に置きます。
- 飛び出した糸の周囲を、縦横へ軽く伸ばします。
- 糸のゆるみを、周囲の編み目へ少しずつ分散させます。
- かぎ針やほつれ補修針を使い、飛び出した糸を裏側へ移動させます。
- 裏側の編み目へ糸を数目くぐらせて整えます。
飛び出した糸は、根元から切らないでください。
糸を切ると編み目がほどけ、穴が開く可能性があります。
また、裏側へ移動させた糸を強く引っ張ったり、大きな結び目を作ったりするのも避けましょう。
表側を確認しながら、周囲の編み目と同じ張り具合に整えることが大切です。
袖口や裾のほつれを直す方法
袖口や裾は、着脱や摩擦による負担がかかりやすい場所です。
特にゴム編み部分は伸縮を繰り返すため、補修方法が適切でないと再び破れる可能性があります。
編み目が外れているだけなら、かぎ針を使って目を戻し、最上部を補修糸で固定します。
擦り切れて編み地が薄くなっている場合は、穴だけでなく周囲まで広めにダーニングしましょう。
袖口や裾の広い範囲が傷んでいる場合は、一部分だけを補修すると伸縮性に差が出ることがあります。
状態によっては、専門店でリブ部分を編み直したり、交換したりする方法が適しています。
ウールやカシミヤを補修するときの注意点
セーターの扱い方は、素材や製品の加工によって異なります。
補修後に洗濯やアイロンを行う場合は、必ず洗濯表示を確認してください。
ウールは摩擦や急激な温度変化を避ける
ウールは、水分を含んだ状態で熱や摩擦が加わると、繊維同士が絡んでフェルト化し、縮みや風合いの変化が起こることがあります。
ただし、ウール製品が水に触れただけで必ず縮むわけではありません。
防縮加工されたウォッシャブルウールなど、家庭で洗濯できる製品もあります。
ウールのセーターを手入れするときは、洗濯表示に従い、強くこする、長時間水に浸す、急激に温度を変えるなどの扱いを避けましょう。
カシミヤは細い糸で慎重に補修する
カシミヤは繊維が細く、編み地がデリケートです。
太すぎる糸や針を使用すると、補修部分だけが厚くなったり、周囲の編み目に負担がかかったりします。
補修する場合は、編み地に合った細い糸と針を選び、糸を強く引かないようにしましょう。
高価なカシミヤ製品や、胸元など目立つ場所の穴は、ニット修理を扱う専門店へ依頼するのがおすすめです。
アクリルやポリエステルも高温に注意する
アクリルやポリエステルなどの化学繊維は、高温によって変形、収縮、テカリなどが起こる可能性があります。
アイロンやスチームを使用するときは、素材名だけで温度を決めず、洗濯表示に従ってください。
アイロン禁止の表示がある場合は、アイロン接着タイプの補修用品を使用しないようにしましょう。
補修前にセーターを洗濯してもよいか
セーターの補修前に洗濯してはいけないとは限りません。
汚れを落としてから補修したほうが、作業しやすい場合もあります。
ただし、編み目が外れていたり、穴の周囲が不安定だったりする状態で洗濯すると、破れが広がる可能性があります。
ほどけそうな場合は先に仮止めする
目落ちしている場合は、最も下にある編み目を段数マーカーや安全ピンで留めます。
糸が複数本切れている場合は、別糸などを使って周囲の編み目を仮固定してください。
破れが広がる可能性が高い場合は、先に簡易的な補修を行い、その後で洗濯表示に従って洗いましょう。
破れが安定しており、洗濯しても広がる心配が少ない場合は、先に汚れを落としてから補修する方法もあります。
どちらの場合も、洗濯機へそのまま入れるのではなく、セーターの洗濯表示に合った方法を選ぶことが重要です。
虫食いによる穴を見つけたときの対処法
原因が分からない小さな穴が複数開いている場合は、衣類害虫による食害の可能性があります。
穴だけを直して元の収納場所へ戻すと、ほかの衣類にも被害が広がるおそれがあります。
虫食いが疑われるサイン
- 小さな穴が複数開いている
- 同じ場所に収納していた衣類にも穴がある
- ウールやカシミヤなどの動物性繊維が傷んでいる
- 収納場所に幼虫や抜け殻がある
- 衣類に食べこぼしや皮脂汚れが残っている
- 長期間着用せずに収納していた
虫食いが疑われる場合は、セーターだけでなく、同じ場所に収納していた衣類も確認しましょう。
そのうえで、洗濯表示に従って洗濯またはクリーニングを行い、クローゼットや引き出しの中を掃除します。
洗濯やクリーニングだけで、すべての害虫や卵を確実に除去できるとは限りません。
収納場所の掃除、周辺衣類の確認、防虫剤の使用を組み合わせることが大切です。
防虫剤は成分を確認して使用する
衣類用防虫剤は、成分によって併用できるものと、併用を避けるべきものがあります。
パラジクロルベンゼン、ナフタリン、しょうのうなどを異なる種類同士で併用すると、薬剤が溶けて衣類のシミや変色につながる場合があります。
無臭性のピレスロイド系には、ほかの防虫剤と併用できる製品もあります。
ただし、製品によって使用方法が異なるため、必ずパッケージの表示に従ってください。
以前使用していた防虫剤の種類が分からない場合は、古い防虫剤を取り除き、収納場所を十分に換気してから新しい防虫剤を使用しましょう。
セーターの破れをきれいに直すコツ
穴より広い範囲を補強する
穴の周囲は、見た目以上に糸が細くなっていることがあります。
穴の端だけに針を通すと、弱った場所から再び破れる可能性があります。
ダーニングや当て布を行う場合は、傷んでいない丈夫な編み目まで補修範囲に含めましょう。
補修糸を強く引かない
補修するときに糸を強く引くと、その部分だけが縮んでくぼみます。
セーターを自然な状態に置き、数針ごとに表側を確認しながら進めてください。
着用時に伸びる袖口や裾は、特に糸を締めすぎないことが大切です。
大きな玉結びを作らない
大きな玉結びは表側に響いたり、肌に当たったりすることがあります。
補修糸の端は、裏側の編み目へ数目くぐらせて処理すると、厚みを抑えられます。
滑りやすい糸を使用する場合は、小さく返し縫いをしてから編み目へくぐらせると抜けにくくなります。
補修後は平らに置いて確認する
補修が終わったら、セーターを平らな場所に置き、全体の形を確認します。
次のような状態になっていないか確かめましょう。
- 補修部分がくぼんでいる
- 周囲にしわが寄っている
- 補修糸だけが強く張っている
- 当て布が表側から透けている
- 補修部分だけが硬くなっている
- 編み目がねじれている
糸を強く締めすぎている場合は、針先などを使って少しずつゆるみを戻します。
完成後に強く引っ張って調整すると、別の編み目を傷める可能性があるため、慎重に行いましょう。
セーターの補修で避けたい失敗
大きな穴を無理に縫い縮める
編み地が失われている穴を力任せに閉じると、周囲にしわが寄り、セーターの形が崩れます。
大きな穴は、ダーニングや当て布で失われた部分を補いましょう。
飛び出した糸を切る
飛び出した糸は、編み地を構成する糸の一部である可能性があります。
切る前に、糸がどの編み目につながっているかを確認してください。
糸が切れていない場合は、周囲へゆるみを分散させ、裏側へ移動させる方法が適しています。
瞬間接着剤で固める
瞬間接着剤や一般的な接着剤を使うと、補修部分が硬くなります。
変色、風合いの変化、肌への刺激、周囲の再破損につながる可能性もあるため、セーターの穴を閉じる目的では使用しないほうがよいでしょう。
接着タイプの補修用品を使用する場合は、必ず衣類用として販売されているものを選び、製品の説明に従ってください。
破れた状態でそのまま洗濯する
編み目が外れたまま洗濯すると、洗濯中の動きによって穴が広がる可能性があります。
ほどけそうな編み目を仮止めし、必要に応じて簡易的に補修してから洗いましょう。
アイロンを直接強く当てる
アイロンの熱や圧力によって、セーターが縮んだり、表面の毛並みがつぶれたりすることがあります。
使用する場合は洗濯表示を確認し、必要に応じて当て布を使います。
補修部分を押しつぶすようにアイロンを当てるのではなく、編み地の状態を確認しながら慎重に仕上げましょう。
専門店へ依頼したほうがよいケース
セーターの穴は、大きさだけで補修の難易度を判断できません。
小さな穴でも、複雑な編み柄や繊細な素材では高度な技術が必要です。
次のような場合は、ニット修理やかけつぎを扱う専門店への依頼を検討しましょう。
- カシミヤなどの高価で繊細な素材
- ブランド品や思い入れのあるセーター
- 胸元や背中など目立つ場所の破れ
- 編み地が広い範囲で失われている
- 穴の周囲まで薄くなっている
- 編み目が何段もほどけている
- ケーブル編みや透かし編みなどの複雑な模様
- 補修部分をできるだけ目立たなくしたい
- 同じ色や太さの補修糸を用意できない
- 袖口や裾を広範囲に編み直す必要がある
- 縫い目と編み地の両方が破れている
専門店では、共糸に近い糸を使った補修、編み目の再現、糸の移植、リブ部分の編み直しなどに対応している場合があります。
依頼するときは、素材、穴の場所、破れの大きさ、希望する仕上がりを伝えましょう。
補修跡を完全に見えなくできるとは限らないため、事前に仕上がりの見込みや料金を確認することも大切です。
セーターの破れを防ぐための保管方法
補修したセーターを長く着るには、破れの原因を減らすことも重要です。
- 着用後の汚れを落としてから収納する
- ファスナーや面ファスナーのある衣類と分ける
- アクセサリーやバッグの金具に注意する
- 洗濯するときは必要に応じてネットへ入れる
- 衣替えの前に洗濯またはクリーニングを行う
- クローゼットや引き出しを定期的に掃除する
- 防虫剤を製品表示どおりに使用する
- 収納場所へ衣類を詰め込みすぎない
- 長期間ハンガーに掛けず、たたんで保管する
ニットは、ファスナー、面ファスナー、アクセサリー、家具の角などに引っかかりやすい衣類です。
着用時だけでなく、洗濯や収納の際にも、金具や突起物と直接触れないようにしましょう。
まとめ
セーターの破れは、傷み方によって適切な直し方が異なります。
補修するときは、飛び出した糸を切らないこと、補修糸を強く引かないこと、弱った周囲まで補強することが重要です。
また、虫食いが疑われる場合は、穴を直すだけでなく、同じ場所に収納していた衣類や収納スペースも確認してください。
高価なセーターや複雑な模様編み、大きな破れ、目立つ場所の穴は、自宅で無理に直すと状態を悪化させることがあります。
きれいな仕上がりを重視する場合は、ニット修理を扱う専門店へ相談すると安心です。
以上、セーターの破れた部分の直し方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

