セーターを洗ったあと、「日陰ならハンガーに掛けても大丈夫」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、水分を含んだセーターは重くなっているため、干し方を間違えると肩や袖が伸びたり、全体の形が崩れたりすることがあります。
セーターをきれいに仕上げるには、洗濯表示を確認し、直射日光を避けながら適切な方法で陰干しすることが大切です。
セーターの陰干しとは
陰干しとは、直射日光が当たらない場所で衣類を乾かす方法です。
室内干しと同じ意味ではなく、屋外の軒下や日陰になったベランダで干す場合も陰干しに含まれます。
反対に、室内であっても窓から直射日光が当たっていれば、陰干しとはいえません。
セーターを陰干しするときは、室内か屋外かではなく、直射日光が当たらないかを確認しましょう。
セーターに陰干しが適している理由
セーターを直射日光に長時間当てると、紫外線の影響によって色あせや変色が起こる可能性があります。
特に黒やネイビーなどの濃色や、赤や緑などの鮮やかな色は、色の変化が目立ちやすいため注意が必要です。
ウールやカシミヤなどのデリケートな素材は、熱や摩擦によって風合いが変化することもあります。
直射日光を避けて風通しのよい場所で乾かすことで、生地への負担を抑えながら仕上げられます。
参考サイト
陰干しの正しい方法やメリット・デメリットを徹底解説(季節・暮らしの話題 2021年12月01日) – 日本気象協会 tenki.jp
陰干しする前に洗濯表示を確認する
セーターを洗ったり干したりする前に、衣類の内側についている洗濯表示を確認しましょう。
同じセーターでも、素材、編み方、縫製、装飾などによって適切なお手入れ方法は異なります。
一般的な方法だけで判断せず、実際のセーターについている洗濯表示を最優先にしてください。
家庭で水洗いできるか確認する
洗濯桶の記号があるセーターは、表示された温度や強さの範囲で家庭洗濯ができます。
洗濯桶に手が描かれている場合は、手洗いができることを示しています。
洗濯桶にバツ印がついている場合は、家庭での水洗いができません。
自宅で無理に洗わず、洗濯表示に対応できるクリーニング店へ相談しましょう。
平干しとつり干しの表示を確認する
自然乾燥に関する洗濯表示は、四角形の中に描かれた線の向きや本数で干し方を表しています。
- 四角形の中に横線が1本ある場合は、脱水後の平干しです。
- 四角形の中に横線が2本ある場合は、脱水せずに行うぬれ平干しです。
- 四角形の中に縦線が1本ある場合は、脱水後のつり干しです。
- 四角形の中に縦線が2本ある場合は、脱水せずに行うぬれつり干しです。
- 四角形の左上に斜線がある場合は、日陰干しです。
例えば、横線1本と左上の斜線が組み合わされている場合は、脱水後に日陰で平干しすることを示します。
横線2本と左上の斜線が組み合わされている場合は、脱水せずに日陰でぬれ平干しすることを示します。
セーターを陰干しする前の準備
自然乾燥記号の正式な意味は、消費者庁の衣類の取扱表示でも確認できます。
セーターの型崩れを防ぐためには、干し方だけでなく、脱水や形を整える作業も重要です。
洗い終わったセーターは放置せず、できるだけ早く取り出して干しましょう。
ねじって絞らない
濡れたセーターを雑巾のようにねじると、編み目が引っ張られ、伸びや型崩れの原因になります。
ウールなどの素材は摩擦によって縮みや毛羽立ちが起こることもあるため、強く絞ったりこすったりしないでください。
洗濯表示に従って脱水する
通常の平干し表示であれば、洗濯表示と洗濯機の取扱説明書に従い、短時間だけ脱水します。
セーターは洗濯ネットに入れ、長時間の脱水を避けるのが基本です。
ただし、横線または縦線が2本ある「ぬれ干し」の表示では、原則として脱水を行いません。
すべてのセーターを一律に脱水するのではなく、自然乾燥記号まで確認することが大切です。
タオルで優しく水分を取る
通常の平干し表示で、脱水後も水分が多く残っている場合は、清潔なバスタオルを使って吸水します。
- 清潔なバスタオルを平らに広げます。
- タオルの上にセーターを置きます。
- もう1枚のタオルを重ねるか、タオルで軽く挟みます。
- 手のひらで優しく押して水分を移します。
- タオルが濡れたら、乾いたものに交換します。
強く巻いたり、上から踏んだりする必要はありません。
生地をこすらず、タオルへ水分を移すように優しく押すのがポイントです。
ぬれ干し表示がある場合は、脱水やタオルドライを自己判断で行わず、衣類メーカーの案内も確認してください。
セーターの形を整える
干す前に、セーターを平らな場所へ置いて形を整えます。
肩、脇、袖、裾の縫い目がねじれていないか確認しましょう。
袖丈や着丈を強く引っ張るのではなく、手のひらで軽く押しながら本来の形に戻します。
洗濯前に肩幅、身幅、着丈、袖丈を測っておくと、元の寸法に整えやすくなります。
セーターを平干しで陰干しする方法
ウールやカシミヤ、ざっくり編みのセーターなどは、水分の重みによって伸びやすいため、平干しが適しています。
ただし、すべてのセーターが平干し指定とは限らないため、必ず洗濯表示を確認してください。
平干しネットを使う方法
最も簡単で型崩れを防ぎやすいのは、市販の平干しネットを使う方法です。
- 直射日光が当たらない場所に平干しネットを設置します。
- 形を整えたセーターをネットの中央へ置きます。
- 肩や脇の縫い目を正しい位置に合わせます。
- 袖と裾をネットの上へ収めます。
- 生地が折れ重なっていないか確認します。
- 風通しを確保して乾かします。
袖や裾がネットから垂れていると、その部分に水分の重さがかかって伸びることがあります。
セーター全体を支えられる大きさのネットを使用しましょう。
ネットを何段も重ねて使う場合は、上下のセーターが接触しないようにします。
間隔が狭すぎると空気が通らず、乾燥に時間がかかります。
ピンチハンガーの上を利用する方法
平干しネットがない場合は、大きめのピンチハンガーの上面を利用できます。
花王も、ウールやカシミヤのセーターを平干しするときに、大きめのピンチハンガーの上を利用する方法を案内しています。
ピンチハンガーを水平に吊るし、その上にセーターを広げましょう。
洗濯ばさみや金属部分が生地に直接当たる場合は、薄手の清潔なタオルや通気性のあるネットを敷きます。
厚いタオルを敷きっぱなしにすると、接している面が乾きにくくなります。
途中でセーターを裏返すか、濡れたタオルを交換してください。
浴槽のふたを利用する方法
清潔な浴槽のふたを平干し場所として利用することもできます。
ただし、木製のふたは湿気を吸収する可能性があるため避けましょう。
浴槽のふたを使う場合は、表面をきれいに洗い、乾かしてからセーターを広げます。
浴室換気扇を回し、途中でセーターを裏返して、下側に湿気がこもらないようにしてください。
浴槽のふたは、平干しネットよりも下側へ空気が通りにくい方法です。
可能であれば、ふたの上に通気性のあるネットやすのこ状の台を設置すると乾きやすくなります。
物干し竿で陰干しする方法
物干し竿にセーターを掛ける方法は、平干しの完全な代わりにはなりません。
洗濯表示で平干しが指定されている場合は、物干し竿ではなく、平干しネットなどを使用してください。
つり干しが認められている場合に限定する
洗濯表示でつり干しが認められている軽量なセーターであれば、物干し竿を使える場合があります。
肩からハンガーへ掛けるより、身頃の中央部分を物干し竿に掛けて重さを分散させるほうが、縦方向への伸びを抑えやすくなります。
袖は下へ垂らさず、物干し竿や身頃の上へ載せましょう。
物干し竿が細い場合は、接触部分に折り跡が残る可能性があるため、清潔なタオルを竿に掛けてからセーターを載せます。
ただし、厚手のセーターやざっくり編みのセーターは、物干し竿へ掛けると伸びや折り跡が生じやすいため、平干しが適しています。
ハンガーで陰干しするときの注意点
濡れたセーターを通常どおり肩からハンガーへ掛けると、水分の重みによって着丈や袖丈が伸びる可能性があります。
ハンガーの先端が肩に当たり、突起のような跡が残ることもあります。
洗濯表示で平干しが指定されているセーターは、ハンガーに掛けないでください。
厚みのあるハンガーを使う
つり干しが認められているセーターには、肩幅に合った厚みのあるハンガーを使用します。
細い針金ハンガーや肩先の尖ったハンガーは、肩に跡がつきやすいため避けましょう。
ハンガーの肩部分へタオルを巻くと、接触部分にかかる力を分散できます。
ただし、水分を多く含んだ重いセーターには、この方法も適していません。
折り返して掛ける方法は軽量なセーターに限定する
セーターを縦半分に畳み、袖と身頃をハンガーの両側へ折り返す方法もあります。
肩から直接吊るすより重さを分散できますが、生地が重なって乾きにくくなる点には注意が必要です。
この方法は、つり干しが認められている薄手で軽量なセーターに限定しましょう。
平干し表示があるものや、厚手で水分を多く含むセーターには向いていません。
室内でセーターを陰干しするコツ
室内は直射日光を避けやすい一方で、湿気がこもりやすい環境です。
風通しが悪いと乾燥に時間がかかり、生乾き臭が発生する原因になります。
サーキュレーターや扇風機で風を送る
平干しネットに載せたセーターへ、サーキュレーターや扇風機で風を送ります。
強風を近距離から当てる必要はなく、セーターの周囲にある湿った空気を動かす程度で十分です。
平干しネットを使っている場合は、斜め下から風を送ると、ネットに接している面にも空気が通りやすくなります。
パナソニックも、ニットやセーターを平干しネットに載せ、下方向から風を当てる方法を紹介しています。
除湿機やエアコンを併用する
梅雨時や冬の室内など、湿度が高い環境では除湿機やエアコンの除湿機能を併用しましょう。
部屋の湿度を下げながら空気を循環させると、乾燥時間を短縮しやすくなります。
ただし、ストーブやファンヒーターの近くへセーターを置くのは危険です。
火災につながるおそれがあるほか、高温による縮みや生地の傷みが起こる可能性があります。
ドライヤーの熱風を一部分へ長時間当てる方法も避けてください。
壁や床から離して干す
壁や床の近くは空気が滞留しやすく、湿気がたまりやすい場所です。
平干しネットは壁から離し、上下に空気が通る位置へ設置しましょう。
カーテンレールに掛けると、カーテンに触れて乾きにくくなったり、レールへ大きな負担がかかったりします。
セーターの乾燥には、安定した室内物干しを使用してください。
屋外でセーターを陰干しするコツ
屋外で干す場合は、屋根のあるベランダや軒下など、直射日光と雨を避けられる場所を選びます。
風通しがよくても、時間の経過によって日光が当たる場所は避けましょう。
太陽の位置が変わることを考慮する
干し始めたときは日陰でも、数時間後には日光が差し込む場合があります。
干している時間帯の太陽の動きを確認し、乾くまで日陰を保てる場所を選んでください。
強風の日は室内で干す
風が強い日は、セーターが平干しネットからずれたり、落下したりする危険があります。
生地が物干し器具へこすれ、毛羽立ちや引っ掛かりが生じる可能性もあります。
強風の日は屋外干しを避け、室内でサーキュレーターや除湿機を使って乾かしましょう。
夜間は屋外へ干しっぱなしにしない
夜間の屋外は湿度が上がりやすく、夜露によってセーターが再び湿ることがあります。
虫やほこりが付着する可能性もあるため、夜までに乾かなかった場合は室内へ移動させましょう。
セーターを早く乾かす方法
セーターは生地に厚みがあるうえ、平干しでは重なった部分に湿気が残りやすくなります。
型崩れを防ぎながら早く乾かすには、脱水後の水分量と空気の流れが重要です。
途中で裏返す
表面がある程度乾いたら、セーターを裏返します。
平干しネットに接していた面にも空気が触れ、乾きムラを防ぎやすくなります。
裏返すときは、襟や袖だけを持ち上げないでください。
両手でセーター全体を支え、伸ばさないように優しく扱いましょう。
袖や裾の位置を変える
襟、袖口、裾のリブ、脇の縫い目などは、生地が重なって乾きにくい部分です。
乾燥の途中で袖や裾の位置を少し変え、同じ部分だけがネットへ接し続けないようにします。
セーターの上下に空気を通す
床やテーブルへ直接置くよりも、脚付きの平干しネットを使ったほうが上下に空気を通せます。
サーキュレーターや除湿機を併用すると、さらに乾かしやすくなります。
セーターを陰干しするときの注意点
直射日光に当てない
早く乾かすために途中から日なたへ移すと、色あせや変色につながる可能性があります。
日陰干しの表示がある場合は、乾燥が終わるまで直射日光を避けてください。
強く引っ張って形を整えない
濡れたセーターは形が変わりやすいため、強く引っ張ると必要以上に伸びてしまいます。
寸法を確認しながら、手のひらで軽く押すように整えましょう。
完全に乾く前に収納しない
セーターの表面が乾いていても、襟、袖口、脇、裾などに水分が残っていることがあります。
湿ったまま収納すると、生乾き臭やカビの原因になります。
乾燥時間は、素材、厚さ、編み方、室温、湿度、風量によって異なります。
時間だけで判断せず、厚みのある部分を指で軽く挟み、湿り気がないか確認してください。
乾いたあとも屋外へ放置しない
セーターが乾いたあとも屋外へ長時間干していると、ほこりや花粉が付着したり、反射光を含む紫外線の影響を受けたりすることがあります。
完全に乾いたことを確認したら、早めに取り込みましょう。
陰干し後のセーターを整える方法
完全に乾いたら、肩、袖、裾などの形を確認します。
軽いシワや毛並みの乱れがある場合は、素材に合った方法で整えましょう。
スチームの使用可否を確認する
ウールやカシミヤのセーターは、スチームを使って風合いや形を整えられる場合があります。
ただし、すべてのセーターにスチームを使用できるわけではありません。
洗濯表示でアイロン処理とスチームの可否を確認し、使用できる場合も、アイロン面を生地へ直接押し付けないようにします。
衣類から少し離した状態で蒸気を当て、手で優しく形を整えましょう。
刺しゅう、プリント、ビーズ、スパンコール、接着加工などが施されているセーターは、蒸気や熱によって変形する可能性があります。
判断できない場合は、スチームの使用を避けてください。
衣類用ブラシで毛並みを整える
表面の毛並みが乱れている場合は、衣類用ブラシを使い、毛の流れに沿って優しく整えます。
強くこすると毛羽立ちや毛玉が発生する可能性があるため、軽い力でブラッシングしましょう。
セーターの陰干しに関するよくある質問
陰干しならハンガーに掛けても問題ありませんか
陰干しかどうかと、平干しかつり干しかは別の問題です。
直射日光が当たらない場所でも、濡れたセーターを肩からハンガーへ掛けると、水分の重みで伸びることがあります。
平干し表示がある場合は、日陰に平干ししてください。
つり干し表示がある場合でも、セーターの重さや編み方に合ったハンガーを選ぶ必要があります。
平干しネットがない場合はどうすればよいですか
大きめのピンチハンガーの上面や、清潔な浴槽のふたなどを利用できます。
ただし、セーターをほぼ水平に保ち、袖や裾が垂れ下がらないようにしてください。
物干し竿への二つ折り干しや、ハンガーへの折り返し干しは、平干しと同じ方法ではありません。
洗濯表示で平干しが指定されている場合は、できるだけ平干しネットなどを用意しましょう。
セーターはどれくらいで乾きますか
セーターが乾くまでの時間は、素材、編み方、厚さ、含まれている水分量、気温、湿度、風通しによって変わります。
薄手のセーターでも、湿度が高い環境では乾燥に時間がかかることがあります。
時間だけで判断せず、襟、袖口、脇、裾、縫い目などに湿り気が残っていないか確認しましょう。
濃色のセーターは裏返して干したほうがよいですか
黒やネイビーなどの濃色は、裏返して干すことで表面への光の影響を抑えやすくなります。
ただし、適切な陰干しができていれば、必ず裏返さなければならないわけではありません。
装飾が裏側へ引っ掛かる可能性もあるため、セーターの仕様を確認して判断してください。
まとめ
セーターを陰干しするときは、直射日光を避けるだけでなく、水分の重みによる伸びや型崩れを防ぐことが重要です。
まずは洗濯表示を確認し、平干しかつり干しか、脱水できるか、日陰指定があるかを判断しましょう。
平干し表示がある場合は、セーター全体を平干しネットへ載せ、袖や裾を垂らさないようにします。
室内ではサーキュレーターや除湿機を活用し、セーターの上下へ空気を通すと乾きやすくなります。
物干し竿やハンガーを使う方法は、つり干しが認められている軽量なセーターに限ります。
平干し表示があるセーターには、平干しネットやピンチハンガーの上面などを利用してください。
洗濯表示に従い、脱水、形直し、陰干し、乾燥確認まで丁寧に行えば、色あせや型崩れを防ぎながら、お気に入りのセーターをきれいな状態に保てます。
以上、セーターの陰干しのやり方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

